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ベル打ち推進委員会

私は昔から携帯電話での文字入力は、俗に言う「ベル打ち」をしており、周りの人間にも強く推奨しています。「ベル打ち」とは、別名「2タッチ入力」とも言われ、昔のポケベルの時代に、固定電話からひらがなを送信する際、「あ」であれば数字の11、「い」は12、というように数字キーを2回押す方式です。当時の女子高生が公衆電話から目にもとまらぬ早さでキーを押している光景をテレビで良く放映されていたことを覚えている方も多いと思います。
その後、携帯電話が普及してくるとなぜかメーカーは「かな入力方式」、つまり「あ」だったら1を1回、「お」だったら1を5回押すという方式をユーザーに強要してきたのです。こんな理不尽な方式を強要する背景には、おそらく入力方式の特許などにも絡むのでしょうが、そんなことはメーカー側の都合、我々ユーザーには関係の無いことです。
もちろん、かな方式の方がすぐれているのであれば、その方式を前面に押し出してくることに文句はありません。しかし、かな方式は、ベル方式と比較するとすぐれている点は一個もありません。百害あって一利なしです。比較してみます。

  • ボタンを押す回数が多い
    たとえば、「こんにちは」を入力する場合。
    かな方式→2222200055446=13回
    ベル方式→2503524261=10回
    「外のホモ」を入力する場合、
    かな方式→3333344444555556666677777=25回
    ベル方式→3545556575=10回
    歴然です。
    もちろん、「朝は中山」を入力する場合は、
    かな方式→1365287=7回
    ベル方式→11316151218171=14回
    のように、キー回数が少なくなることもありますが、かな方式がキー回数で勝ることができるのは、母音あ、母音いのみ、母音う~おの文字では負けますから、50音で平均するとかな方式の方が入力回数は多くなります。

  • 文字送りが必要
    たとえば、「あいうえお」と入力する場合、
    かな方式→1>11>111>1111>11111
    ベル方式→1112131415
    と、同じあ行や、か行が連続する文字を入力する場合、矢印キーで右に文字送りしないといけません。文字を入力しているときに、ちょっと離れた矢印キーまで指を運び、押す。明らかに無駄な動作です。

  • 英数字は入力モード切替が必要
    たとえば、「あいうABCえお」と入力する場合、
    かな方式→1>11>111>モード切替2>22>222>モード切替1111>11111
    ベル方式→1112131617181415
    もう、比較するまでもありません。なんというばかばかしい入力方式なんでしょう。

  • そもそも入力する文字でキー回数が変わるという不可思議
    日本語の50音というのは非常に優れています。口から発生する言葉をすべて表現できるのですからこんなに効率的な言語は世界中探しても無いと思います。それなのに、かな方式では、母音あの時は短く、母音おの時は長く、単語によってそのキー回数がまちまちです。自由な表現ができる日本語、たとえば感嘆の気持ちを「おおお!」という文字で入力しようと思っても、次の瞬間、躊躇してやめてしまうでしょう。かな方式は自由な表現を制限してしまう恐ろしい入力方式、いますぐやめるべきです。

その他、かな方式は体の負担も増やします。これは私の経験談なのですが…

  • かな方式は腱鞘炎になりやすい!!
    以前、私は少しの間、かな方式をしていたことがあります。理由は機能重視で機種変更した携帯電話がベル方式に対応しておらず、泣く泣くかな方式で堪え忍んでいたのですが、しばらくすると右親指の付け根に違和感を覚え始めました。最初は突き指したかな?と思っていたのですが、だんだんと症状は重くなり、ちょっと動かすだけで激痛で夜も眠れないほどになりました。町の整形外科に行くとなんと腱鞘炎の診断でした。医者にも「指の使いすぎだねぇ」と言われ、とりあえずその場は痛み止めの注射を打ち(痛み止めなのに、注射自体が飛び上がるほど痛かった。)、その後は1ヶ月ほど親指を固定し動かさないことでなんとか完治しました。これ以上ひどくなるようだったら手術だね、といわれていたので、治療中は何があっても動かさないように生活しましたね。
    治療中考えてみると、親指による連射動作、つまり母音おの文字を入力するときは5回連射になるのですが、この時に親指に相当負担をかけていたようです。すぐに携帯電話を変更しベル方式に戻してからは、この症状は出なくなりました。
    ベル打ちの場合、なれてくると子音を右親指、母音を左親指と言う風に、指の交互に使うことにより負荷を分散させることができます。さらにこの方法は、入力速度向上にもなります。人間はもともと「連射」という動作は苦手のようです。(昔は連射の高橋名人みたいな人もいましたが)

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