DMC-LX1はコンパクトデジカメでは珍しくRAW撮影モードが用意されています。ところが、DMC-LX1に標準添付されているRAW現像ソフトウェアはしょぼく、RAW現像時の色温度の調整すらできません。で、社外製のRAW現像ソフトウェアを使うことになるのですが、現状DMC-LX1のRAW現像に対応したソフトウェアは市川ソフトのSILKYPIXぐらいしかありません。
私が普段使っているAdobeのPhotoshop CS2は、多くのカメラのRAW現像に対応していますが、DMC-LX1は当然発売したばかりなので対応しておりませんし、今後の対応にもあまり期待ができません。なぜならば、現在CS2で対応しているPanasonicデジカメはDMC-LC1のみであり、高倍率ズーム搭載のDMC-FZシリーズですら対応していませんから、DMC-LX1も期待薄ということになります。
しかし、DMC-LX1がはき出したRAWファイルに小細工して、あたかもDMC-LC1のRAWファイルとしてしまうとCS2で現像できます。小細工にはバイナリエディタが必要です。その時点でお手上げ、という方は手を出さない方が良いと思います。(簡単な処理ですけどね。)
バイナリエディタで、DMC-LX1のRAWファイルを開き、200h~のデータを書き換えます。
200h~は、カメラ識別文字列がセットされているので、LX1→LC1とすることでDMC-LX1のRAWデータをDMC-LC1のRAWファイルとしてCS2が読み込んでくれます。
2バイト目「X」のHexコード0x58を、「C」のHexコード0x43に書き換えて保存します。この時、DMC-LX1オリジナルのRAWファイルは別途バックアップを取っておいてください。
DMC-LX1のRAWファイルをCS2で現像してみる
上記の小細工によりCS2でDMC-LX1のRAWファイルを開くことができるようになりますが、結論から言えば、小細工をしてまでCS2をほどのメリットは無い、と思います。色がヘンなんです。冷静に考えればあたりまえです。CS2にとってはDMC-LC1のRAWファイルだと思って読み込んでますから、そのRAWファイルに割り当てあられた色情報もDMC-LC1として開いてしまいます。DMC-LX1とDMC-LC1とはおそらく、RAWファイル上の色情報がずれているのでしょう。それも当然のことで、同じCCDならともかく、画素数すら違う全く別のCCDですから。
ということで、現状、DMC-LX1のRAWファイルをまともに現像できるソフトウェアはSILKYPIXだけだと思います。
SILKYPIX/PhotoshopCS2のRAW現像比較
上から、DMC-LX1が出力したjpg(8Mスタンダード)、RAWをSILKYPIXで何もせずそのまま現像したもの、RAWファイルを上記小細工してCS2で読み込ませそのまま現像したもの、です。
一番上のカメラが生成したjpgファイルは色がギトギトです。
真ん中のSILKYPIXで現像した画像は非常に素直な発色です。ホワイトバランスをマイナス側に調整するとさらに良い色合いになると思います。(この画像の色温度はカメラ撮影時の設定で、確か4000kぐらいだったかと思います。)
一番下が今回問題視しているPhotoshopCS2の現像結果です。明らかにおかしいのは赤の発色です。現像時のパラメータ設定では上2つの写真のような赤を再現するのは不可能でした。
残念ながらCS2でまともに現像するには、正式にDMC-LX1に対応してくれるしかなさそうです。
左から、DMC-LX1のjpg、SILKYPIX、CS2ですが、こちらの写真も明らかにCS2の現像が劣っていることがわかります。逆にSILKYPIXは優秀ですね。(DMC-LX1は対応機種ですから当たり前ですが) 標準設定で現像してフラットな発色、カメラの生成するjpgより見栄えのする画像を現像してくれるのはうれしいです。
DMC-LX1のRAWファイルを、まともに、ちょっと高度に現像するには、現状SILKYPIXしか選択肢がないと思います。残念なのは、私はまだSILKYPIXの正式ユーザーでは無いと言うこと。16000円は若干迷う価格です。とりあえず無料試用期間中はみっちり使い倒そうと思います。