プリンタキャリブレーションツールの動作
プリンタキャリブレーションとは、簡単に言うと、そのプリンタが出力した色が本来の色であるかどうかを調べ、もし異なっていたらそれを補正するためのプロファイルを生成するためのモノです。
プリンタキャリブレーションツールは、プロファイル生成ソフトウェアと測光機がセットになっています。プリンタで色見本を印刷して、それを測光機で測定、その測定結果をプロファイル生成ソフトウェアに読み込ませてそのプリンタ、用紙、インク専用のプロファイルを生成します。
プリンタキャリブレーションツール
プリンタのキャリブレーションツールは安いモノから高いモノまでいろいろ発売されています。例えば…
Colorvision(本国) ソリューションシステムズ(日本代理店)
PrintFIX
SpectroPRO
monaco
X-Rite PULSE ColorElite System
i1
Eye-One Pro Publish
などがあります。下に行くほど価格が高くなります。
私はColorvisionのPrintFIXとSpectroPROを導入しましたので、性能、使い心地などを紹介します。
PrintFIX
プリンタキャリブレーションツールとしては比較的安価ですが、最初に言ってしまいますが、私はPrintFIXでは満足する結果を出すことができませんでした。価格相応、と言ってしまえばそれまでですが、個人的にはこのツールはおすすめできません。
また、このツールは対応プリンタが限られており、日本で発売されているプリンタで対応しているのは、いわゆるフラッグシッププリンタに限られています。(CANON iP8600やEPSON PM-4000PXなど)
プリンタ対応表
プリンタでソフトウェアに付属のチャートを印刷します。このチャートを印刷する際の印刷設定が記載されているのですが、これがおかしい。Phothoshopによるアプリケーションカラーマネジメントをするべきなのに、プリンタ側のカラーマネジメント「マッチング方法=写真用」を設定させようとしています。基本がなっていません。半年ほど前に日本代理店にカラーチャートの修正を依頼していますが、未だに修正されてきません。
しっかり乾燥させたあと、ハサミでカットし付属のスキャナで読み込むのですが、このスキャナがふた昔ぐらい前のスキャナで性能が悪い!!黒っぽいムラが発生しています。
この読み取り結果をプロファイル生成ソフトウェアに読み込ませ(Photoshopのプラグインになっています)、プロファイルを生成します。
このプロファイルを用いた印刷結果を示すことができないのですが、とにかくひどい。色飛び、トーンジャンプが発生しており、これなら純正のプロファイル(CANON iP8600 PR1など)を使う方が100倍マシです。
SpectroPRO
プリンタキャリブレーションとしては標準的な価格ですが、それでも20万円ほどですのでなかなか手の出しにくい領域です。ただ、効果は絶大、非常におすすめできます。また、この機種はプリンタも選びません。
125パッチと729パッチの2種類が用意されています。
125パッチは読み取りの時間は短くなりますが、生成されるプロファイルはレベルが下がります。やはり時間がかかっても729パッチがおすすめです。これをできるだけ大きい用紙(A4)に印刷し、しっかり乾燥させます。
測光機を用いて一つ一つ手作業で読み取っていきます。
この作業は結構たいへんです。1パッチあたり5秒かかりますから(測光に一呼吸時間がかかる)、単純計算でも5秒x729パッチ=約60分。しかしこのスピードを1時間持続するのは、心身共にヘトヘトになります。私はだいたい1時間半ぐらいかかります。
しかし、時間をかけたなりに、本当にすばらしいプロファイルを生成できます。純正プロファイルをSpectroPRO生成プロファイルの比較をしてみます。