SHURE SE846 やGRANBEAT DP-CMX1 を買ってからというもの、俗に言う「イヤホン沼」にはまらずにすんだ反面、今聞こえてきている音はどういう理屈でこういう音なのか?、を深く考えてしまう、別の「沼」にはまってしまった感のある私です。
というわけで、次はGRANBEAT DP-CMX1 が「DAP」であるという大きな証拠の一つ「バランス接続」について考察してみます。
GRANBEAT DP-CMX1 にせっかくバランス接続端子が用意されているのだから、理屈抜きで使いたくなるのはあたりまえのこと。
ただ、ちまたで売られている何万円もするバランスケーブルを買えるわけも無く、おそらく、現在、一番安く買えるMMCX-2.5mm 4極のバランスケーブルを購入してみました。
NOBUNAGA LabsのBL-AKX1です。
耳にかかる部分はワイヤー入りです。
MMCXコネクタ内部がうっすら確認できますが、はんだ付け品質は悪くなさそうです。
早速SHURE SE846に付け替えて視聴してみました。
結果は、、、中高域が伸び悩みます。何か変な感じです。
MMCXコネクタの付け替えは多少時間がかかりますし、抜き差しの繰り返しはSE846側のコネクタ破損の恐れがあるので、何度も比較することはできなかったのですが、明らかにアンバランス接続の方が良い音です。
ふとバランス接続の回路を思い浮かべて、ハッと気がつきました。
バランス接続だと、GRANBEAT DP-CMX1の出力インピーダンスは倍になるのです。
つまり、前のブログエントリ「ONKYO GRANBEAT DP-CMX1 + SHURE SE846 音チェック #4」で書いた、「中高域の出にくさ」がより増強されるというわけです。
GRANBEAT DP-CMX1のスペックを見ても、それは明らかでした。
http://www.jp.onkyo.com/audiovisual/smartphone/granbeat/spec/#nav
「インピーダンス Unbalanced: 16 〜 300Ω / Balanced: 32 〜 600Ω」
バランス接続は出力インピーダンスが倍だよ、と、こっそり教えてくれていました。
GRANBEAT DP-CMX1 におけるバランス接続は、インピーダンスの高いヘッドフォン専用である、と思った方がよさそうです。
一方、GRANBEAT DP-CMX1にSHURE SE846などの極低インピーダンスのイヤホンをバランス接続して
「あー、音いいわぁ」
なんて言ってるような人の話は、あまり信用しないほうがいいかもしれません。。
世間一般に、「良い」とされている方法が、必ずしもすべてに当てはまるわけではない、という良い事例ですね。
そして、バランスケーブルを買う前に少し考えていさえすれば、、と少し後悔したのは言うまでもありません。
ONKYO GRANBEAT DP-CMX1 + SHURE SE846 音チェック #5