リーフに乗り始めてから、充電中の時などクルマの中で過ごす時間が長くなった結果、車内での電源の確保は必須なため、車載DC/ACインバータを常備しております。現在使っているのは、大橋産業株式会社 「BAL」のNo.1785 3WAY 正弦波インバーター 120Wです。
本当に正弦波出力なのか?
オシロスコープで測ってみました。
確かに正弦波です。ゼロ点で若干ひずんでいますが、問題無いレベルです。
写真で見ていただいてもわかるように、出力120Wの割に筐体が大きいのです。
その理由は、大橋産業のホームページを見るとわかるのですが、この正弦波インバータのシリーズは、他に200W/400Wのラインナップが用意されているのですが、それらすべて同じ筐体を流用しているため、120Wに対しては筐体が大きすぎる(オーバースペック)、というわけです。
No.1787 3WAY 正弦波インバーター 400W | 大橋産業株式会社
http://bal-ohashi.com/products/inverter/no-1787/
大橋産業の正弦波インバータを購入したのは、リーフを購入してからですのでここ1~2年前なのですが、これを購入した理由が、それまで使ってきていたDC/ACインバータでは、会社支給のHP製ノートPCを充電することができない、という問題が発生したからです。
正弦波インバータを購入する前に使っていたDC/ACインバータは、セルスター工業株式会社のFTU-100Bという機種で、4-5年前に購入したのですが会社支給のノートPCが変更になった瞬間に充電できなくなってしまいました。
何度かAC100Vの差込プラグを抜き差ししていると充電できることもあるのですが、その場合もACアダプタから「ジー」という大きめの発振音が出てしまうため、使用するのを躊躇していました。
正弦波インバータに対して、そうではないインバータは、「矩形波」や「疑似正弦波」、「調整矩形波」インバータなどと呼ばれています。FTU-100Bの波形を見てみると
正弦波に似せた矩形波を出力しているため、AC電源で直接駆動する電化製品(モータなど)は使えないことになっていますし、ノートPC用のACアダプタの発振の原因にもなっています。
さらに、このFTU-100Bの波形は、
オーバーシュートが大きい:おそらく発振音が大きい原因の一つ
ON時間が短い:本来の電力を供給できない可能性があります
などもあり、あまり良くない製品であることがわかりました。
現在は使っていないのですが、約20年近く前に購入したサンワサプライ製のDC/ACインバータの波形も見てみます。
こちらも調整矩形波ですが、オーバーシュートも少ないしON時間もしっかり確保されておりDC/ACインバータとしては合格なのですが、この筐体サイズでありながらMax 80W出力のため、ほぼすべてのノートPC用ACアダプタを駆動することができません。(すぐ保護機能が働いてしまう)
最初に紹介した大橋産業の正弦波インバータを使えば、ノートPCも使えるので良いのですが、筐体が大きいため常に外に出しておけないし、収納場所もなんとかグローブボックス内に確保はしたものの、出し入れが大変で全くお手軽ではありません。
そこで、リーフのインスト内にDC/ACインバータを納めてしまおうと考えました。配線もシガーソケットの内側から直に引っ張ってくることで、シガープラグの抜き差しの手間も省きたい。ただし、インスト内に納めるためにはそれなりに小さく、またできればFANレスが好ましい。(インスト内から異音がするのは避けたい)
で、今回新たに購入したのが、私にとって正弦波インバータで実績のある大橋産業のNo.1756 3WAYインバーター 120Wです。Amazonでも評価が高く、120W出力で有りながらFANレスであることがポイントです。
こちらも波形を観測してみます。
波形も問題なく、ノートPC用のACアダプタも問題無く使うことができました。ただ、ACアダプタに耳を当てると、ジーッという発振音が聞こえます。(正弦波インバータであれば完全無音です)
このDC/ACインバータをリーフに「内蔵」させるにあたり、カップホルダの奥にコンセントを増設しました。
DC/ACインバータの置き場所については、インスト内に完全に内蔵させてしまおうかとも思ったのですが、何かトラブルが起きた場合を想定して、グローブボックス内に置くことにしました。
配線は、分解してインバータ本体内の基板から直接配線しています。中継コネクタを追加して接続しています。
本体を改造していますので、当然保証は無くなりますが、購入価格は3000円以下ですので壊れたら諦めます。というか、こういう製品が3000円以下で購入できてしまうって、消費者からすればありがたいですが、フッと視点を変えて考えてみると儲けがないんじゃないかと心配になります。本当にすばらしい企業努力だと思います。
少し話が逸れてしまいましたが、FANレスですので常に電源ONままで大丈夫です。(もしかしたら寿命が短くなるかもしれませんが)
また、何か調子が悪いときがあったとしても、グローブボックスを開ければ本体にアクセスできるので便利に使って行けそうです。
正弦波と矩形波で、価格が倍・半分です。電源の質重視なら正弦波を、ACアダプタ専用であれば調整矩形波タイプで十分かと思います。
車載 DC/ACインバータ 考察