先日ゲットした カシオ オシアナス マンタ OCW-S2400PG-7AJF ですが、機能も性能も軽さも、すべてにおいて電波ソーラ腕時計としては満点に近いくらいの合格点なのですが、腕に付けていても全くワクワクしない。
また、先日のブログエントリの最後に方に書いた「もうすぐ40になるのに電波ソーラ腕時計ばかり買ってる」という一文、書いたのは自分なのに、改めて文字にして読み返してみるとゾワゾワと自分の心に響くようになってしまいました。
ここからは完全に自己正当化モード。「40歳の記念だし」「息子が産まれた記念にもなるし」と、さもありがちな言い訳を並べた結果、とうとう買ってしまいました。
グランドセイコー、です。
は、箱がでかい。。
実は数ヶ月前からグランドセイコー、とりわけスプリングドライブという機構に興味を持って、カタログやWebサイトで情報を集めており、遠い未来になるだろうけど機械式腕時計を買うならスプリングドライブだな、と心に決めていました。厳密に言うと、スプリングドライブは純粋な機械式ではありませんが。
箱の中は、和紙のような綺麗な紙にくるまれた化粧箱。
グランドセイコーには、通常の家電量販店(ヨドバシカメラなど)で売っているモデルと、グランドセイコーマスターショップと呼ばれるセイコーから認められた時計専門店でのみ扱われる「マスターショップ限定モデル」が存在していますが、量販店モデルとマスターショップモデルの間には一長一短があり、どちらが自分の好みなのかは実物を並べて見比べるまでわかりません。
そこで、量販店モデルとマスターショップモデルを並べて見比べることができるグランドセイコーマスターショップに足を運びました。
説明書も高級感があります。
マスターショップにも2種類あって、大型デパート(高島屋やそごうなど)の中にあるショップと、街の中にある腕時計と宝石店が一緒になったようなショップ。マスターショップのリストはこちら。
グランドセイコーを値切って買うという野暮なことはしたくないのですが、私にとっては超高価な腕時計ですから出来るだけ安く買いたい、という正直な気持ちもあり、上記リストにWebサイトが載っている、街の中にある系の某ショップに、気になっているモデルの価格をメールで問い合わせてみました。
いわゆる普通の腕時計です。
すると、10分も経たずにケータイに電話。そのショップの担当者からでした。自分も購入の意思は固めていたしメールのやりとりは面倒なので、売る気があるならケータイに電話してくるだろ、と思いケータイ番号を書いておいたのを、その担当者は見逃しませんでした。その担当者、とにかく売る気満々でグランドセイコーは都内で1,2位の販売数なので価格も頑張ります、と気合いが入っていたので、その勢いにも押されそのショップに出向く日時をアポ。
バックルには「GS」のロゴ。
スプリングドライブへの憧れとは別に、もう一つはGMT機能への思いもありました。GMTとは「Greenwich Mean Time=グリニッジ標準時」という意味ですが、腕時計の世界では、通常の長短針以外にもう一本24時間針を持つ時計の総称です。
海外との仕事が多い私は、アテッサやオシアナスなど、デュアルタイム機能を持つ電波ソーラを好んで使ってきましたが、機械式の腕時計ではシンプルなGMT機能でデュアルタイム表示を実現していることが多いです。このシンプルな3針の時計に、GMTの24時間針があるだけでガラッと雰囲気が変わり、文系から理系というイメージになるので、機械式の腕時計を買うときはGMT機能があるものを買おうと思っていました。
そんな中、私が購入したのは、マスターショップ限定モデルの「SBGE005」です。量販店モデルの「SBGE009」と悩みました。
左がマスターショップ限定モデルのSBGE005、右が量販店モデルのSBGE009
量販店モデルの009の方は文字盤は真っ白で、ケースデザインはゴツゴツしていてリュウズガードが付いて、若者向けなイメージです。
反面、マスターショップ限定モデルの005の方は文字盤は少しクリーム色で丸っこく、針もシンプルでオーソドックス。どちらかというと中年向き。
実物を見たら悩むだろうなぁと思っていましたが、結果5分も悩まずマスターショップ限定モデルのSBGE005に決めることができました。決め手は、文字盤と針のシンプルだからこその高級感、ブレスレットのデザイン、そしてシースルーバック。上の写真ではわかりませんが、005はケース裏面がシースルーバックになっておりメカをのぞくことができますが、009はGSロゴ入りステンレスケースとなっています。せっかく唯一無二のスプリングドライブという機構を持つ時計なのですから中身が見えた方が楽しい。
スプリングドライブには、機械式腕時計にある「テンプ」と呼ばれる左右に揺れて時を刻む丸い部品がありません。その代わり、8回転/秒で高速に回り続ける歯車が見えます。
SBGE005に決める前に思わぬ伏兵が。
SBGA011。写真ではわかりにくいですが、雪が積もったかのような真っ白でフワフワした不思議な文字盤に青い秒針。そしてブライトチタンで100gという軽さ。
見ても、腕に付けても、すばらしい時計でちょっと悩みましたが、SBGA011はグランドセイコーファンの間でとても人気の高いモデルである反面、持っている人が多く他人とかぶる可能性がある。だったら数が少ないGMTという個性にかけようということで、SBGE005で決めました。
ステンレスSBGE005の重さは155g。100g以下のチタン腕時計に慣れた腕にはビックリするほどの重みですが、1日で慣れました。
オシアナスマンタが84gですから、グランドセイコーの約半分。
その重さにはすぐ慣れましたし、腕時計を付けてるな、という意識や、重いことによる腕への座りのよさ(腕でグルグル回らない)が心地よく、重たいモデルを選んで良かったな、と思うほどです。
一生物、というには少し大げさかもしれませんが、一緒に年を重ねていくべき相棒だな、と心から思える一品。
家を買っても、クルマを買っても、どんな電子機器を買っても、しょせんそれらと触れ合えるのは一日のうち数時間ですが、腕時計はその気になれば24時間一緒に過ごせますから、その分ありがたみが高いなぁと痛感しています。
と、同時にこいつと出会うために、今まで一緒に過ごしてきた腕時計やいくつかのお気に入り電子機器を手放してしまったので、そいつらの分までこいつと一緒に過ごして行こうと思っています。
グランドセイコー GS スプリングドライブ SBGE005 ゲット