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Apple Thunderbolt ギガビットEthernetアダプタのパフォーマンス

新MacBook Pro/Airの発表と同時に発売開始された、Apple Thunderbolt ギガビットEthernetアダプタをヨドバシカメラで購入してきました。
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価格は2,800円。Thunderbolt対応の周辺機器としては、現時点では最安ではないでしょうか?私にとっては、ネイティブなThunderbolt周辺機器を所有するのが初めてなので、気になるのはそのパフォーマンスです。理論値10GbpsのThunderboltだけに、桁外れのパフォーマンスを見せてくれるのではないかと期待。
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現在、MacBook Pro Retinaモデルを使っているテーブルの真下にEthernetの差し込み口があります。もちろんギガビットです。各部屋に1つずつこのような差し込み口を設置したので、その近くでネットワークに接続したい場合は気軽に使えるのでとても便利。
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Magsafe2、USB3.0、そしてThunderbolt、常時使うポートはすべて左側からアクセスできるので、いろいろ接続していてもそれほど雑多感はありません。iPhone接続やSDカード読み込みなど一時的に使いたいポートは右側にあるので、あらためてMacはよく考えられてるなぁと感心。
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Thunderboltアダプタを接続するとあっけなくネットワークにリンクしました。プライベートIPアドレスなのでわざわざ隠しませんよ。
では早速ネットワークアクセスのパフォーマンスを測定してみましょう。使ったツールはiperf。WiFiルータなどの各メーカも使っているツールです。iperfはソースコードのみの配布ですが少し探せばMacバイナリとWindowsバイナリをダウンロードすることができます。
Windows7 64bit、Core i5、Intel製ネットワークチップのPCがサーバ。クライアントがMacBook Pro Retinaモデルです。
まずWiFi接続から。ステーションはWR8700Nで、リンクはIEEE802.11aの5Gbps、最高300Mbpsでリンクします。ステーションまでの距離は壁により遮られていますが3mほどです。

gen-retina:~ gen$ iperf -c 192.168.1.3
------------------------------------------------------------
Client connecting to 192.168.1.3, TCP port 5001
TCP window size: 129 KByte (default)
------------------------------------------------------------
[ 4] local 192.168.1.14 port 51496 connected with 192.168.1.3 port 5001
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 4] 0.0-10.0 sec 136 MBytes 114 Mbits/sec

114Mbpsなので、WiFiにしては悪くない数字です。それでも巨大なファイルのやりとりにはイライラします。
では、いよいよThunderboltギガビットEthernetアダプタ接続です。

gen-retina:~ gen$ iperf -c 192.168.1.3
------------------------------------------------------------
Client connecting to 192.168.1.3, TCP port 5001
TCP window size: 129 KByte (default)
------------------------------------------------------------
[ 4] local 192.168.1.13 port 51488 connected with 192.168.1.3 port 5001
[ ID] Interval Transfer Bandwidth
[ 4] 0.0-10.0 sec 1.05 GBytes 902 Mbits/sec

902Mbps!!
正直ギガビットEthernetでこんな通信速度をみたことがありません。理論上は1Gbpsですがネットワークのオーバーヘッドや信号の減衰、ノイズなどが影響して、通常であれば良くても700Mbps程度です。例えばこちらを参照。
実際、条件は決してよくありません。サーバーは2階でMacBook Proは1階。その間のケーブル長は短く見積もっても20mはあるし、途中にギガビットHUBを介しているし、壁からThunderboltアダプタの間は短いとは言えヘロヘロのLANケーブルです(写真1枚目参照)。サーバー側はパフォーマンスに定評のあるIntel製ネットワークチップということもあるのでしょうけど、Thunderboltのパフォーマンスがすばらしい、ということも要因の1つだと思います。
上の結果から10秒で1Gバイトを転送できるので、試しに4Gバイトの動画ファイルをコピーしてみたら1分ほどで完了しました。サーバー側のHDDのアクセススピードに足を引っ張られているようです。
なおEthernetアダプタ使用中はアダプタ本体がほんのり暖かくなります。バッテリ駆動の際は駆動時間が短くなるかもしれません。
普段、Webを見たりする程度であればWiFi接続でも問題ありませんが、大きなファイルのやりとりのために1つ持っておいても損は無いEthernetアダプタだと思います。価格も2,800円ですしね。なお、Thunderbolt対応のMacであれば、2012モデルでなくてもソフトウェアアップデートによって使えるようになるみたいですよ。

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