発売日直後に購入したHTC Jを使い始めて約1ヶ月。いまでも私のメイン端末はiPhone4Sですが、この1ヶ月でiPhone4SとHTC Jの住み分けがだいぶ明確になってきましたので、HTC Jの今の感想を書いてみたいと思います。
1. 大きな不具合は購入直後のおサイフ機能のみ
HTC J発売開始直後、ネット上で一番の騒ぎになったのがおサイフ機能が使えないという不具合でした。具体的には、おサイフ機能を設定するためにおサイフアプリを立ち上げると、アプリケーションエラーで即強制終了してしまうという不具合です。対処方法は簡単で、一度HTC Jを工場出荷状態に初期化するだけですが、初期化するだけで直る不具合?なのに、なぜそのまま出荷してしまったのか疑問が残ります。
私がHTC Jを手に入れた時点ですでにこの対策方法は広く知れ渡っておりましたが、本当に不具合が発生するかどうかを確かめるために、わざと初期化せずにおサイフアプリを立ち上げてみたところやっぱり強制終了。あせらずあわてず、すぐに初期化。初期化後は特に問題は発生していません。
2.とにかく安定しまくり
いきなり上記1で不具合について書いてしまいましたが、逆に言えば認識している不具合はこれくらい。それ以外に目につく不具合が全くないのです。Android端末でありがちな突然の強制再起動や、本体の異常発熱を伴うバッテリ馬鹿喰いなどの経験は一度もしていませんし、なんとなく調子悪くてとりあえず再起動してみよう、ということもありません。
先月まで使っていたDIGNO ISW11Kも安定機種と言われていましたが、それでも強制再起動は時々発生しておりましたし、いつの間にかあっちっちになってバッテリー切れ、という現象も数回経験しました。HTC Jのハードウェアが良いのか、Android 4.0が良いのかはわかりませんが。
3.とにかくヌルヌルサクサク
これ本当にAndroid端末?っていうくらいヌルヌルサクサクです。現時点ヌルサクで評判のよいXperia Acro HD IS12S(奥さんの)と比較しても、圧倒的にHTC Jの方がヌルサクです。
iPhone4Sと比べるとどうか?ブラウザのスクロールで、いわゆる指にすいつく感覚、という指標では、まだ若干iPhoneの方が上です。iPhoneは指の動きに全く遅延無く画面スクロールが付いてきますが、HTC Jはほんの少しだけ遅延しています。ただ、本当にほんの少しの差です。
画面のレンダリング(描画)スピードや、スクロールの気持ちよさ(指で上下にスワイプした後の慣性スクロール)はHTC Jの圧勝なので、Webブラウザを使う場面ではHTC Jを使うことが多くなりました。
4.バッテリの持ちがいい
大きなバッテリ(1,800mA)が搭載されているということもあるのかもしれませんが、特にバッテリ管理やメモリ管理アプリをインストールしなくても、今までのAndroid 2.3端末より確実にバッテリが持ちます。おそらくAndroid 4.0がバッテリ、メモリに対して最適化されているのだと思います。また、HTC Jに搭載されている、クアルコム製の次世代プロセッサSnapDragon4も低消費電力に貢献しているのだと思います。
さすがにWiMAXで連続して通信すると本体が若干暖かくなりバッテリもそれなりに減りますが、それでもバッテリの持ちに関してはDIGNOの比ではありません。WiMAX通信でのテザリングのバッテリ消費率は正確には測っていませんが、1時間15~20%くらいだと思います。コーヒーショップでの2~3時間ぐらいの作業では一切モバイルバッテリは不要。テザリングに関してはDIGNOの倍以上のバッテリ持ちの良さで非常にありがたいです。
5. 有機ELディスプレイの割に
有機ELディスプレイに関しては私はあまりいい印象を持っていません。数ヶ月前、少しの間使っていたGALAXY S2 WiMAXはHD解像度(1280x720)の割にあまり解像感がなくギラギラして見にくいし、DIGNOは画面が青白っぽすぎて色味に大きな違和感がありました。しかしHTC Jは今までの有機ELディスプレイのような不満をあまり感じません。ギラギラしすぎてるわけでもなく、青白っぽすぎるわけでもない、非常にニュートラルでまるで液晶パネルのような印象をうけます。ただ、太陽の下では輝度最高にしても見にくくなるのは残念です。
上記5つの基本的なスマホの機能について、私の思っていることを書きましたが、基本どの項目についても合格点をあげられますし、合計点はほぼ100点に近いといっても過言ではありません。
もちろん、少し改善してほしい点もいくつかあります。
画面下の3つのタッチキーが敏感すぎてタッチ操作中に誤認識してしまったり、電源スリープボタンの押し心地が悪かったり、マイクロUSBコネクタやイヤホンのカバーが邪魔で挿しにくかったりしますが、そういう細かな不満を蹴散らしてしまうくらいにスマホとしての基本機能、性能がしっかり作り込まれており、現時点で「神機」と言ってしまって差し支えがないレベルだと個人的には思います。
iPhone4SとHTC Jの住み分けですが、Webサイトを見る場合はHTC J、Twitterをやる場合はiPhone4S、音楽を聴く場合はiPhone4S(HTC Jのbeatsの付属イヤホンは特に音がいいとは思いませんでした)、お財布、テザリングは当然HTC J。という感じで、2台ともまったく手放せない端末となっています。
これから登場するauの夏モデルたちが、HTC Jに対してどの程度勝負を仕掛けることができるのか注目ですね。夏モデル唯一のクアッドコアArrows Zが不具合で自滅しなければ面白い勝負になると思います。
EOS 5D Mark III + EF24-105mm F4L IS
HTC J ISW13HT 1ヶ月目レビュー