先日購入したMid2011のMacBook AirとMac miniには、リカバリメディアが同梱されていません。どちらも光学ドライブが搭載されていませんので、DVDメディアが添付されないのはわかるのですが、Late2010のMacBook Air 11インチではスマートなUSBメモリタイプのリカバリメディアが添付されていたので今回もきっとそうなるだろうと思っていましたが、その仮説はいとも簡単に打ち砕かれました。
Mid2011の機種でOSリカバリをしたいときはどうすればいいかというと、commandキーとRキーを同時押しで起動するとリカバリモードに移行するので、それ以降は従来のリカバリと同じ手順となります。
詳細な説明は以下。
2011年7月24日時点では英語版のみ。
OS X Lion: About Lion Recovery
http://support.apple.com/kb/HT4718
Lion Recoveryと呼ばれるその機能は、2種類のモードが用意されています。
Recovery HD
HDD/SSDが正常な状態でCommand-Rを押して、HDD/SSDの特定の領域に保存されているMac OS X Utilitiesというアプリケーションを起動するモード。Mac OS X Utilitiesから、Lionの再インストールやディスクユーティリティを起動することができます。
Lionを再インストールする場合は、そのOSイメージをインターネットからダウンロードします。
Lion Internet Recovery
HDD/SSDが異常の場合、または新しいHDD/SSDに交換した場合は、上記のMac OS X UtilitiesすらHDD/SSDから消えていますので、Mac OS X Utilitiesそのものをインターネットからダウンロードするモード。
Mac OS X Utilitiesのダウンロードが完了したら、上記「Recovery HD」によるLion再インストールが可能となる。
文字だけで見ていてもイメージしにくいので、実際にMid2011のMacBook Airでその動作を確認してみました。
まず、Lionが正常に起動するMacBook Airで、Command-Rキーを押して起動します。
言語選択の画面が表示されて、
Mac OS X ユーティリティが起動します。
ここからLion再インストールや、ディスクユーティリティを起動することができます。
では、ここでディスクユーティリティを起動してみます。
Mac OS X Base Systemという、1.39GBの領域が確保されていることがわかります。おそらくここにMac OS X Utilitiesが入っているのだと思われます。
では思い切って、SSDをフォーマットしてみます。(ドキドキ…)
Macintosh SSDという名前でフォーマットしちゃいました。
一度電源をOFFにして、再度ONにすると…
?マークと共に、起動できなくなりました。(当たり前ですが)
焦らず慌てず、一度電源をOFFにして、Commnad-Rキーを押して起動します。
「Starting recovery process from network. This may take a while.」
という画面が表示されます。無線LAN経由でインターネットに接続しているようです。
SSDは完全に削除してしまっているので、この画面はMac本体に内蔵のファームウェアによって表示されているものと思われます。
このダウンロードには、約10分ほどかかりました。
約10分後、Mac OS X Utilitiesが起動します。
Mac OS X再インストールを選択します。
インストールするSSDを選択します。
Lionイメージのダウンロードを開始します。
IEEE802.11n(5GHz)無線LAN (最大300Mbps)の環境下で約15分ほどかかりました。
Lionイメージのダウンロードが完了したら、Lionインストールが開始します。
こちらは約20分ほどかかりました。
Lionイメージのダウンロードと再インストールで、合計40分ほどかかりました。
起動用SSD/HDDを完全に削除しても、インストールメディアを使わずリカバリしてしまうシステムを構築してしまうApple、さすがです。OS、ソフトウェア、ハードウェアを1社でまかなっているからこそ可能な機能です。
ただ、すべてにおいて優位かというとそうではなく、OSリカバリの際にはインターネット回線、しかも「高速な」インターネット回線が必ず必要なので、ネット回線がない場所でのリカバリ、低速なモバイル回線でのリカバリは事実上不可能です。
また、リカバリされるOSバージョンが、Appleに握られてしまうという欠点?もあります。インストールメディアによるリカバリであれば、あえて旧バージョンのOSを使い続けるということもできましたが、その手法は使えなくなります。
これらを踏まえると、Lion OSイメージは、DVDやUSBメモリなどのメディアでも持っておく方がいいと思います。
MacOSX Lion Recoveryを試してみた