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FinePix X100 レビュー その1

4/28にゲットしたFinePix X100について、私なりにレビューしたいと思います。
なお、私が現在所有しているカメラは、SIGMA DP1xとDP2の2台のみで、X100が3台目になります。それ以外にデジタル一眼などのカメラは所有していないため、一般的に語られるようなデジタル一眼のサブカメラとしてのX100という視点ではなく、メインカメラとしてのX100、という視点が強くなりますので、その点はご了承ください。
まずは見た目から。
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正直、かっこいいと思います。私はレトロカメラに触れた経験は皆無ですし、知識や、ましてや憧れなどもありません。ですから、X100がどのカメラに似ているとか、似ていないとかいう次元に達するわけもなく、あくまで純粋な気持ちです。
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純正フードLH-X100も購入しました。アルミ削り出しの丁寧な作りで、触るとヒヤッとした金属の感触がします。非常に軽く、これはもうちょっとした美しい工業部品、という感じ。蒲田の工場で職人さんが作った、みたいな。
問題は価格。定価10,000円は高すぎる気がします。このフードを12個集めると、X100本体の価格が同じになるっていうのがなんとも。
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このフードを装着すると、X100はさらにかっこよくなります。スリットが渋い。
しかし、このかっこよさと引き替えに下記3点の不満が我慢できるか、が問題です。
1点目は、着脱が非常にめんどうな点。装着順は、X100からねじ込み式のリングカバーを外し、フードアダプタ(フードに付属)とフードを組み合わせて、それをX100にねじ込むという順になります。ねじ込み式のフードは脱着時に落とす危険性が非常に高く、万が一落としてしまうと肉厚が非常に薄いこのフードは簡単にゆがんでしまうと思います。撮影直前の装着はオススメしません。
2点目は、X100にフードを装着すると、レンズキャップが取り付けられない点。フード自体がある程度のレンズ保護効果をもたらしますが、広角寄りの35mmレンズですから開口が広く深さも浅いため、その分レンズ保護効果は減少すると思います。
さらにレンズキャップもご丁寧にアルミ製のため、取り扱いには要注意。フードを装着している間は大切にバックなどにしまっておきたくなります。さらにはフード装着中はリングカバーもフリーとなりますから、フードの利用頻度が高い場合は、リングカバーは自宅に置いておくほうがいいと思います。すぐに無くしてしまいそうなくらい細い部品です。
3点目は、フード装着時はOVFの右下が大きくケラれる点。フードのスリットの位置がちょうどファインダーのある方向で停止するようになっているため、スリットのすき間からファインダー越しに向こう側を見ることはできますが、ファインダーの出来が良いだけに、このケラれは気になると思います。
私はこれらの理由から、最初の数回装着しただけで使わなくなってしまいました。見た目は本当にかっこいいんですけどね。
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このカメラが一番かっこよく見えるアングルは?と聞かれたら、私はこのアングルを選びます。シャッタースピードダイヤルの存在感や、さりげない電源スイッチ。なにより絞りリングのF値の刻印がシビれます。
残念なのは、安っぽい樹脂製のFnボタン。ここに配置するのはやめて欲しかった…
絞りリングは見た目だけでなく、撮影中の使用感も最高です。言うまでもなく、X100の絞り羽根は電子制御ですから、この絞りリングは絞り羽根に直接リンクしているわけではありません。この絞りリングはいわゆる電子スイッチなのですが、堅すぎず柔らかすぎないクリック感が最高です。撮影していなくても、気がつくとずっと回している自分に気づくことが多々あります。
電源スイッチの位置も秀逸。カメラを構える動作と同時に右手人差し指で電源ONできるため、ファインダーをのぞいた時には電源が入ってます。ただ、設定で「クイック起動」がOFFになっていると、電源ONしてから撮影可能になるまでに4秒くらいかかりますので少し待たされます。私は電池の持ちに目をつぶり、クイック起動をONにしています。
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このカメラにおいて、ファインダーの存在感は絶大、です。このファインダーがなければ、このカメラの魅力半減です。ハイブリッドファインダーと呼ばれる、OVF/EVFの切り替え機能に目が行きがちですが、私はOVFだろうがEVFだろうが、このカメラの枠の中にきっちりファインダーを納めてくれたことがありがたいです。
ファインダーをのぞきながらシャッターを切る、という子供の頃から体幹に刻まれた本能に近い動作が、写真を撮る楽しさを再確認させてくれました。
問題はX100で夢中になって写真を撮った後、DP1xやDP2を構えたとき、顔の前までカメラを持ってきて、有りもしないファインダーをのぞこうとしてしまうこと。自分でも苦笑いしてしまう瞬間です。
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前方から見たかっこよさに反して、残念なのは後方からの眺め。誰が見てもデジタルカメラと分かってしまう液晶画面とボタン類が並んでいます。まぁデジタルカメラだから仕方がないんですがね。
操作性が最悪!と酷評されているX100ですが、確かに良くはないです。ただ撮影に影響があるかというとそれほどでもありません。撮影中に必要な操作って基本的に絞りリングとシャッターボタンだけですからね。
ファームウェアの更新によってメニュー系が使いやすくなっていって欲しいなと思いますが、そもそも十字キーの押し心地が悪いので、ファームウェアの更新によって改善される使い心地の向上は微々たるレベルかもしれません。期待しないで待ちましょう。
見た目や使い心地についていろいろ書かせていただきましたが、まとめると
「楽しいカメラを作ってくれてありがとう」
というのが、今の気持ちです。シャッターを切らずとも、電源をONしてファインダーをのぞいているだけで楽しいカメラってデジタルカメラでは初めてかもしれません。しばらく使い込んでみようと思います!
次回のレビューは写りについて、特にDPシリーズと比べてみようと思います。

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