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K12マーチに履けるホイールの検証

K12マーチはどのくらいのホイール、タイヤが履けるのか?という疑問は、K12マーチに乗られている人でホイールを換えたいなぁと思っている人は少なからず持っていると思います。じゃ、まずプロに聞いてみようと、町の量販店などで店員に相談しても、歯切れのいい返事が返ってこないのが実状です。その原因は、このページの上の方にも書きましたが、K12マーチが多少特殊なサイズのホイールしか履けず、ホイールメーカーとしてもほとんどK12マーチ専用ホイールを設定しないといけないため、K12マーチが発売されて1年以上が経過した今でも履けるホイールは極端に少ないのです。 じゃ、実際の所、K12マーチで履けるホイールサイズ、タイヤサイズはいくつまでなのかを検証してみようと思います。
履けるホイールとは、どういうことか?をはっきりさせないといけません。もちろんホイールが物理的に装着できて、ホイールナットが規定トルクで締め付けられることが大前提です。これに関してはナット穴数が4、PCDが100mmであればOKです。5穴だったりPCDが114.3mmでは当然装着すらできず、アウトです。あたりまえですよね。 次に装着できれば良いわけではなく、サスペンションやブレーキキャリパー、フェンダープロテクターなどに干渉しては当然走れません。また、法規としてホイール、タイヤ、ナットなどがフェンダーからはみ出してはいけないという法律があるのです。これに違反すれば当然、整備不良のキップを切られてしまいます。この辺の要素を左右するのが、ホイールサイズ、オフセット、リム幅、タイヤ幅などになります。で、今回、検討しようと思ってるのがこの辺の数値です。 実は今この文章を書きながら、これらの数値をどのように検討していくのかを考えている状態で、結果が出たとしても、このホイールなら履ける!と断言できる自信は全くありません。また、ある程度のサイズが割り出せたとしてもそれに合致したホイールがすべて履けるわけでも無いことを注意してください。ずっと上の方にも書きましたが、ハブ径やブレーキキャリパー干渉などは、単純にホイールサイズでは表現されていない場合が多いのです。その場合は、購入店で相談してもらうか、最終的には実際にK12マーチに履いてみないとわからないのです。ですから、ここで検討した内容はあくまで参考程度に考えて頂きたいと思います。
こういう検証をするときには、まず元になる値、基準値を調べ、それにプラスマイナスしていくのが一番簡単でしょう。ということで、私のK12マーチの値を測定してみました。条件は、ノーマルサス、ホイールはNISMOのmm-8、タイヤはPOTENZAのG3です。これらの数値を以下に示します。

項目

サイズ

ホイール

穴数

PCD

100mm

ホイール径

15インチ=381mm

リム幅

6J=152.4mm

オフセット

+50mm

タイヤ

185mm

扁平率

55%=102mm

サイズ

15インチ

ホイール径やリム幅のインチ単位は25.4mmをかけて、mmになおしてあります。また、扁平率%は、タイヤ幅からmmを求めました。 予備計算として、このタイヤの直径を求めてみようと思います。
ホイール径381mm+タイヤ高さ102mm×2=585mm
となります。当然この値はいわゆるカタログスペックで、タイヤが減ってくれば直径も減ってきますし、空気圧が高い、低い、また乗車人数でも変化します。一般的な値だと思ってください。 ここで考えないといけないのは、ホイールやタイヤを換えるとき、この直径を大きく逸脱しないような組み合わせを考えなければいけないと言うことです。では、この値を逸脱したらどうなるか、例えば直径が小さくなった場合を考えてみると、実際の走行スピードより、スピードメータの示す値が大きくなってしまうのです。あまり被害が無いように思いますが、スピードメータの誤差測定は車検での検査項目となっており、あまりにずれていると車検が通らなくなってしまいます。スピードメータに誤差が生じることを承知でサイズ変更をしている人もいますが、あまりお勧めできません。
上記のホイール、タイヤを履いた私のノーマルサスK12マーチで、フェンダーアーチの一番高い所からおもりを付けたヒモを垂らし、そのヒモとホイールリムの間隔を測定しました。

ホイール

距離

右前

11mm

左前

14mm

右後

29mm

左後

30mm

この結果からわかることは、フロントとリアでホイールの位置は20mm近くも違うということです。この20mmの違いは見た目にもはっきりしており、明らかにリアホイールは車両の奥に引っ込んでいるのがわかります。 次にわかることは、フロントはほぼフェンダーツライチだということです。ん?10mm以上もあるじゃないかと考える方がいらっしゃるかもしれませんが、この値はあくまでホイールリムまでの距離であることを思い出してください。実際にはホイールリムよりタイヤの方が出っ張ってますので、これも考慮にいれないとタイヤがフェンダーからはみ出すという状況になってしまいます。では、タイヤのデッパリはどのくらいか?簡単ですよね。リムサイズが6J=152mmに対して、タイヤ幅は185mmですから、引いて33mm、片側を考えて/2すると、約16mmになります。 あれ?上の測定結果と比べるとすでにフロントはフェンダーからタイヤがはみ出しているじゃないか。と思われた方はスルドイです。私もあれ?と思ったのですが、実際フェンダーからヒモを垂らしてもタイヤに接触することはありませんでした。つまりタイヤははみ出していないのです。実際に測定したところ、リムからタイヤのはみ出し量は約8mmでした。この辺の理由はよくわかりません。タイヤ幅185mmというのは、もしかしたらタイヤの接地面の長さではなく、タイヤデッパリ部分の長さなのかもしれないと思います。 これらを総合して、私の購入したNISMOのホイールタイヤセットに関しては、フロントは-5mmのツライチであると言えます。逆に言えば、あと5mmの猶予しかなく、これはほとんど誤差であると言えます。ギリギリまでツライチにしたければ、単純に言えば6Jオフセット+45mmのホイールを選択すれば本当のツライチになると言えます。 リアに関して言えば、NISMOのホイールでツライチにするのはほぼ不可能であると言えます。通常5mmぐらいならスペーサーを挟んでホイールを外に出すという方法も採れるのですが、20mmもスペーサーで稼ごうとするとハブボルトの長さが足りずナットが閉まりません。もともとスペーサーというのは、強度の面から考えてもあまりお勧めできるモノではありません。では、リアをツライチにするのはどうするかを考えると、もうホイールのオフセットで調整するしか無いと思います。つまり、リアを6Jオフセット+25mmにすればツライチになりますよね。この方法を採用した場合に発生する問題と言えば、前後タイヤのローテーションが不可能になりますが、敢えて前後違うオフセットのホイールを購入するこだわりを持った方であれば、ローテーションなんてケチくさいことはせず、フロントが減ったらリアも新品に交換するのでしょうけど…(笑)
で、私の結論ですが、合法的に15インチを履きたいのであれば、NISMOのmm-8を選択すべし。ということになります。リアに関しては我慢です。タイヤは185です。195にすればフロントはツライチになるのですが、リムが6Jであることを考えると多少太く、いわゆる「デッパリタイヤ」になってしまいます。(そんなに目立たないかもしれませんが…)
もう結論がでてしまいました…。(笑)でもこれで終わってしまうと、ここまで読んで頂いた方からブーイングが出そうですので、一つ例にとって再検証してみようと思います。 ここでは、FFスポーティークラスのクルマで一般的なサイズと言われているこのページの一番上の方にある表のホイールタイヤを例にとって考えてみようと思います。ホイール6.5Jオフセット+45mm、タイヤは195-55-15です。もう一目瞭然なんですが、K12マーチにこのサイズのホイールタイヤを選択すると確実にフロントがはみ出します。では、どのくらいはみ出すかを計算で求めてみようと思います。
まずリムの位置がNISMOホイールよりどのくらい外側になるかを考えてみます。まずオフセットが+50mm→+45mmですから、単純に+5mmなのはわかります。次にリム幅が6J→6.5Jですから、152mm→165mmで約+13mm。片側なので6.5mm。つまり、オフセットとリム幅で合計11.5mm程外側になります。 次にリムからタイヤがどれだけ出っ張るかを考えます。(195mm-165mm)/2=15mmとなります。ただ、上にも書いたように計算値通りになりませんので、8mmと仮定します。 この値から、6.5Jオフセット+45mmは、リムの位置がほぼフェンダーとツライチになり、タイヤの厚み分だけ外に飛び出す計算になります。 では、このホイールに185-55-15のタイヤを履かせるとどうでしょうか?この組み合わせだったらOKかもしれません。はみ出すかはみ出さないかのギリギリぐらいでしょう。ただ、難点は185サイズのタイヤが非常に少ないということですが、ホイールは6.5J+45mmは各社から数え切れないくらい発売されてますから、ホイールをいろいろ選びたければこの組み合わせでも良いかもしれません。
一つ言っておかないといけないのは、今まで検証してきたのはあくまでノーマルサス、ノーマル車高の場合についてです。ストラットの場合、車高が下がればキャンバーが付く方向になりますので、フェンダーアーチ部分に注目すると微妙に内側に入り込む形になります。キャンバーを付ければそれだけはみ出しそうなホイールも履けるようになるのですが、K12マーチはキャンバーを調整できないので、(ちなみに、キャンバーだけでなく、アライメント調整ができないのですが…)この方法は積極的には用いることができません。車高を下げたおまけでちょっとキャンバーが付けることができるのです。
16インチも検証してみたかったのですが、疲れてキーボードを打ちたくないのでこの辺でやめにします。ただ、計算方法さえわかれば求め方は一緒ですからみなさんで試してみてください。

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