来月11月にNW-A850シリーズにマイナーチェンジするSONY ウォークマンAシリーズ。もうすぐ旧モデルとなる現行NW-A840シリーズと音質は全く同じ、ということなので、たたき売りされているSONY ウォークマン Aシリーズ 16GB NW-A845をヨドバシカメラにて17500円 10%ポイントでゲット。
日本国内ではここ数年一人勝ちだったApple iPodのシェアを、SONYお得意の音質の良さで抜いた、と評判だったのでずっと気になっていました。それに加え約2年半使っていたBluetoothレシーバの電池がヘタってきたというタイミングも重なり、新しいBluetoothレシーバ(例えば、SONY Bluetooth ワイヤレスオーディオレシーバー BT30P ブラック DRC-BT30P/B)を6,000円で買うくらいならもうちょっと追加してウォークマン買っても良いよね、と自分なりの理由付けも無事完了しての購入です。
とにかく気になったのはみんなが口を揃えて言う「音の良さ」。正直、それほどでもないんじゃない?と高をくくっていました。128kbpsでエンコードしたAACファイルをiPhone4とNW-A840に入れて、一昔前のミッドエンドヘッドホンMDR-EX90SLで聞き比べてみました。
…うーん、ウォークマン、すごい!
同じファイルを再生しているとは思えないくらい。私が好んで聞くハードロック系だと、シンバルの音のきめ細やかさ、バスドラ、ベースの音の厚みが全く違います。耳を澄ますと、今まで聞こえなかった音まで聞こえてきそうな感じです。iPhone4はシンバルがグチャっと誤魔化しているように聞こえます。
私、ロックが好きで基本ドンシャリが好きなんです。iPhone4ではイコライザを「Rock」に設定していますが、あらかじめ用意されている20種類程度のプリセットしか選択できないため、例えばもう少し中域(1kHz)をカットしたいなぁと思ってもできませんでした。
NW-A840には数種のプリセット以外にもカスタムが可能。驚いたのは、イコライザを極端な設定にしても音痩せが無いこと。低高域を持ち上げて、中域をへこませるといわゆる「ドンシャリ」となりますが、そのような設定をすると大抵、音は痩せてしまいます。この流れから「ドンシャリ」とは本来の意味以外にも音が悪いことを示す皮肉めいた言葉にもなっています。
しかし、NW-A840でドンシャリ設定をしても、いわゆる音痩せの感じがしないのです。持ち上げたりへこませたりしても、前後の周波数帯とのつながりがスムーズなのか、破綻した感じが少ないです。ただ、+3の隣を-3とか極端な設定をするとさすがに無理は出てきますが。でもイコライザで、ある1点を最大に持ち上げたりするとありがちな音のビビりや割れは皆無です。しかもその状態でボリューム最大付近にしてもビビらず音の輪郭もそのまま。iPhone4では最大音量付近で音の輪郭がぼやけます。ここまで違うのかと、正直、ビックリです。
次に、AAC256kbps(iTunes Plus)でエンコードした曲をiPhone4とNW-A840で聞き比べてみました。すると128kbpsの時ほどの差はなくなります。128kbpsでは特に高音域で雑だったiPhone4も256kbpsではそれなりに鳴ってくれます。イコライザの設定の幅の分だけ、自分の好みの音に近づけられるウォークマンに軍配は上がりますが、それ以外ではiPhone4も悪くありません。強いて言えば、ウォークマンは繊細、きらびやか。iPhone4はフラット、なめらかという感じです。
結局、ウォークマンはDSEE(高音域補完)、クリアステレオ、イコライザ、そしてフルデジタルアンプによって低ビットレート(128kbps以下)の再現性、再生能力が非常に高いといえると思います。当然、高ビットレートでもこれら機能の恩恵にあずかれますが、他のプレーヤ(iPhone4など)との音質の差は小さくなると思います。
ウォークマンAシリーズのもう一つの目玉機能。「ノイズキャンセリング」については、また日を改めて書きたいと思います。
SONY ウォークマン NW-A845 ゲット