本日、9/2 AM2:00からのApple発表会で、新しいiPod shuffle / nano / touchと、新しいAppleTVがリリースされました。
この手のApple発表会の時には、いつもGizmodeやEngadgetがストリーミングするビデオを見ようとはするのですが、アクセスが集中して全く見られない状態に陥り、イライラしながら結局、静止画メインの実況サイトで数分遅れてSteve Jobsのプレゼンの様子を観察するというのがここ数年の私の行動パターンでした。しかし、今回はAppleが正式にビデオストリーミングをするというので、リアルタイムでJobsのプレゼンを見ることができるのでは、と期待しておりました。
結果、Appleのストリーミング中継、完璧でした。ベッドの中でiPhone4を使ってWiFi経由でストリーミングを視聴しましたが、途中、数回音声が途切れたぐらいで全く問題なくJobsのプレゼンを堪能することができました。それだけでも今回夜更かしした価値があったと言えます。
しかし、相当数のアクセス(下手したら100万とか)があっただろうにもかかわらず、あんなに高品質なストリーミングを成功させちゃうなんて、さすがApple、と認めざるを得ません。もし同じことをソフトバンクがやったとしたら、アクセス集中でサーバダウンするのが目に見えてます。
新iPodの発表に関しては、nanoの変わりように多少驚きました。相当軽くなり、本体にクリップがついて、NIKE+のレシーバも内蔵されたので、ジョギング専用に欲しくなりました。現在、ほぼ毎日ジョギングをしているのですが、iPhoneをポケットに入れながらのジョギングは、重さでポケットが垂れ下がるし、汗で壊れるんじゃないかと心配になるしで、良いことがありません。
新touchは想像通りのスペックでしたが、3G回線をモバイルWiFiルータで持ち歩ける人にとっては、touchで必要十分のような気がしますね。カメラや高解像ディスプレイが内蔵され、iPhone4との違いは本当に3G/GPSの有無だけになりましたから。
さて、問題は新AppleTVです。AppleTVのサイズと価格(99ドル)にはびっくりしましたが、新AppleTVで展開されるコンテンツの話題になったとたん、完全に日本市場は置いてけぼりの空気がプンプンし始めました。アメリカでは映画レンタルが3~4ドル、さらにTVコンテンツレンタルに関しては99セントでやるそうですが、日本では映画のレンタルはなんとかなるかもしれませんが、TVコンテンツの配信なんてまず不可能です。
iPadといい、AppleTVといい、Appleのイノベーションは、日本市場のコンテンツを取り巻く環境にことごとく足を引っ張られている状態です。iPadが発売されてから数ヶ月、電子書籍に関してどれだけ事が進んだでしょうか?週刊誌を購読できるビューンや各専用アプリによる電子書籍サービスは細々とスタートしてはいますが、Appleが用意したiBookアプリは完全に開店休業状態です。
Jobsのプレゼン終了後、AM3:30頃から日本のオンラインAppleStoreが再開し、そこでは華々しく新iPodが陳列されましたが、案の定、新AppleTVの姿は無し。なんとも言えない虚無感です。
日本では、コンテンツが先導するイノベーションは起こせないのかもしれません。そしてそれはAppleが推し進める方針と逆行しており、日本ではiPadをぶち込んでも、AppleTVをぶち込んでも、何をしても全く響かない、と諦めたAppleをはじめとする海外の誰からも相手にされなくなります。すると、今まで口を閉ざしていたハイエナたちが急に元気になって、日本独自のサービスを展開しはじめる、またしても日本はガラパゴススパイラルに突入、なんてことになるのかも。
華々しいApple発表会とは裏腹に、ミョーにむなしい気分になった私でした。
SIGMA DP1s
New iPod & AppleTV リリースに思う