クルマ

手持ちのホイールをはかせてみた

K12マーチはまだ発売されて1年程しか経過していないこともあり、ホイールやタイヤに関して選択の余地があまり無いことで有名です。NISMOやインパルなど、日産車のアフターパーツを発売しているメーカーからは当然K12マーチ専用ホイールなるものが発売されていますが、軽いホイールを開発していることで有名なレイズ(ボルクレーシング)などは、依然としてマッチングリストにK12マーチが追加されていません。 通常、スモール、ミドルクラスのFF車(有名なところではシビックなど)では、以下の表に示すホイール、タイヤが標準のサイズとして認知され、このサイズ付近で多くのメーカはホイール、タイヤを販売しています。逆に言えば、このサイズを逸脱すればするほど、販売されているホイール、タイヤの種類は減っていき、選択の幅がどんどん狭くなってしまいます。

項目

サイズ

説明

ホイール

穴数

ホイールを固定しているナットの数

PCD

100mm

ホイールナットを結んで描いた円の直径

ホイール径

15inch

ホイールの直径。単位はインチ。1インチ=2.54cm

リム幅

6.5J

リムの幅。単位はインチ。1インチ=2.54cm

オフセット

+45mm

ホイールの固定位置。リムの中心線をオフセット=0mmとして、それからホイールの外側にずれると+側、クルマ側にずれると-側。マイナス側になればなるほど、ホイールはクルマから飛び出る方向にオフセットする。俗に言う「ツライチ」とは、標準よりオフセットをマイナス方向に振り、クルマのフェンダー位置とタイヤのサイドウォールの位置を一緒にするということです。

ハブ径

60mm?

クルマのハブ直径を許容する最大値。標準のリム系は不明です。

タイヤ

195mm

タイヤの幅。値が大きくなるほど、太いタイヤとなる。

扁平率

55%

サイドウォールの高さで、タイヤの幅×扁平率。

サイズ

15インチ

タイヤの径の大きさ。あくまでホイールのリム径であり、タイヤの外周ではない。タイヤ全体の直径は、サイズ+サイドウォール×2となる。195-55-15のタイヤの場合、そのタイヤ全体の直径は15×25.4mm+(195mm×55%)×2=595.5mmとなる。

上の表の項目でもあるように、ハブ径も問題になってきます。ハブとはドライブシャフトとホイールの間に位置するいわゆる土台のようなモノで、ブレーキディスクなども支えている部分でもあります。ホイール側のハブが収まる部分の径が小さいと、当然そのホイールは装着不可ということになります。
また、問題はサイズだけではありません。最近では特にハイパワー車に多いビックキャリパーなブレーキを装着している車種では、キャリパーとホイールリム、ホイールスポークへのクリアランスが確保できないことがあります。そのため、ホイールメーカの中には、「ビックキャリパー対応ホイール」という名目でホイールを開発しているところもあります。しかし非常に難儀なのは、クルマ側、ホイール側のキャリパーに対する寸法表示が存在していないため、こればかりは実際にホイールを履かせてみないと、キャリパーに干渉するのかしないのかがわからないと言うところです。
では、K12マーチはというと、サイズ、キャリパー、ハブ径という3種類の問題が発生してしまうため、ホイールの選択の幅が最強に狭い状況となってしまっています。具体的にK12マーチの標準装備の鉄ホイール(てっちんホイール)のサイズを示します。

項目

サイズ

ホイール

穴数

PCD

100mm

ホイール径

14inch

リム幅

5J

オフセット

+45mm

ハブ径

60mm

タイヤ

165mm

扁平率

70%

サイズ

14インチ

ま、標準サイズですから、どの値も控えめです。特に、タイヤの幅165mmと扁平70は、ちょっと気合いを入れてアクセルを開けたときに、非常に不安な感じです。扁平率は、クルマの乗り心地にも関与しており、当然扁平率が大きくなればなるほど、タイヤの厚みが増し、乗り心地が良くなります。(乗り心地がいいというのは、路面のデコボコなどを拾いにくくなるという意味です。)逆に、扁平率を下げていくと、クルマはゴツゴツして乗り心地は悪くなりますが、逆に言えばクルマはロールが減り、しっかり感、ダイレクト感が出てきます。見栄えは、扁平率が高くなれば、トラックやRV車のようなイメージ、逆に扁平率が下がれば、スポーティーなイメージになります。
ホイールやタイヤの話をはじめるとキリが無いのでこの辺にして、マーチの話に戻そうと思います。マーチに上の表で示した15インチ標準ホイールを履かせたらどうなるか、試してみようと思います。前のクルマ(EF9シビック)に履いていた、まさに上の表の通りのホイール、タイヤのセットが保管してあったので、マーチのフロントに履かせてみました。
k12_wheel_01
履かせてみる前は、ハブ径とキャリパーの干渉が気になっていたのですが、問題なく履くことができました。キャリパーとのクリアランスも多く、問題なさそうです。雰囲気もガラッと変わりますよね。話が反れてしまいますが、このホイールはWORKのRSベータというホイールで、ゴールドに見えますが、もともとシルバーだったのをゴールドに塗装したと聞いています。タイヤは、TOYOのハイグリップタイヤ「ビモード」です。結構がっちりグリップして、熱ダレなどもしにくい感じでした。また耐久性もほどよく有り、マイナーではありますが非常に気に入っているタイヤです。
k12_wheel_02
では、何も問題ないかというと、そうは問屋が卸しません。前から見てみると、写真が暗くてわかりにくいのですが、タイヤのサイドウォールがフェンダーからはみ出しているのがわかります。長さでは10mmぐらいでしょうか?これは単にはみ出してるね、というような簡単な話ではなく、いわゆる整備不良車両となってしまい、公道を走って見つかればキップは切られるわ、車検は通らないわ、という状態なのです。走行中に歩行者に接触する恐れがあるためらしいのですが、この程度なら問題ねぇだろ、その前にサイドミラーが先に当たって危ないヨ!!って気もするのですが、そう法律で決まっているのですから仕方ありません。
k12_wheel_03
もうワンセット、ホイールタイヤセットが保管してあったので、それも試してみました。サイズは正式にはわからないのですが、一番上の表のうち、オフセットのみ+32mmになっていると思われます。つまり、ホイールがクルマから出っ張る方向になると思われます。が、このホイールはマーチには履けませんでした。ハブが引っかかってしまいます。どうもこのホイールのハブ許容径は58mm程度であると思われます。(ちゃんと計ってないです)
結果として、現在の手持ちのホイールでは、マーチに適合できないということがわかりました。さて、では、どうするか。もう買うしかありません。ということで、結果から言うと、NISMOのマーチ専用ホイール「mm-8」とタイヤのセットを注文してしまいました…!!

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