マイホームを新築するにあたり、電灯をすべてLED化すべく検討を進めてきました。LED電灯のメリットは言うまでもありませんが、低消費電力、そして40000時間(一日10時間点灯で10年以上)という高寿命、その代わりに価格が高いですが、10年単位の長い目で見ればペイできるはずです。
今年、2009年はまさにLED電球元年。夏くらいから各家電メーカより立て続けに発売された「LED電球」を使う前提で考えてみます。LED電球の紹介や詳細な分析については下記サイトを参照ください。
【特別企画】LED電球、どれを買う? 導入編:LED電球は白熱電球の代わりになるか
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_special/led2009/20091126_320781.html
LED電球はどれがベストなのか、実際に買って比較してみました~スペック&価格編~
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20091226_led_electric_bulb/
LED電球はどれがベストなのか、実際に買って比較してみました~実際の明るさ編~
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20091227_led_actual_brightness/
さて、通常、リビングや廊下などに使われるダウンライトはこちら。ヘーベルで「ダウンライト」と言えば、標準は下のようなダウンライトが設定されます。
白熱灯60W相当の明るさを持つ電球形蛍光ランプD15形(消費電力10W程度)を使用したもので、価格も安く低消費電力、現時点では一番コストパフォーマンスが高いと言えます。口金はE26なので、上記で紹介したLED電球の口金と同じですから、そのままLED電球と置き換えが可能かと思いがちですが。。
問題はランプのサイズと向き。図面を見てもらうとわかるように、ランプは横向きにねじ込みます。これは最近の一般的なダウンライトに共通の仕様です。なぜこのような横向きにねじ込むかというと、ダウンライトの高さを抑えるため。通常、天井には一面断熱材が敷き詰められるため、ダウンライトを埋め込んだ場所の断熱材は若干押し上げられます。その結果断熱材の効果が半減してしまうため、できるだけ背の低いダウンライトが主流となってきたようです。
このような電球を横向きにねじ込む、背の低いダウンライトには、サイズ的にLED電球を装着することができません。また、たとえ装着できたとしても、現在発売されているLED電球は真下に光を投射する仕組みになっていることが多いため、そんなLED電球を横向きに設置するダウンライトでは、十分な光量が得られない可能性が高いのです。
つまり、現在市販されているLED電球をダウンライトで使おうと思ったら、電球を垂直に装着することのできるダウンライト器具が必須、ということになります。しかし、検索してみるとこのような仕様のダウンライトが非常に少ないことがわかります。おそらく数年前、まだまだ白熱電球が一般的に使われていた時代であれば、電球を垂直に装着するダウンライトも多くラインナップされていたでしょうけど、今や白熱電球のダウンライトは非常に少なく、あったとしても「高気密」タイプのダウンライトでないため、ヘーベルハウスで使うことができません。
この「高気密」タイプのダウンライトとは、天井の気流が居室内に漏れないような仕組みになっているダウンライトのことで、断熱による省エネを売りにしているヘーベルハウスでは高気密タイプのダウンライト以外は使わせてもらえません。
高気密タイプで電球を垂直に装着することのできるダウンライト、ひたすら探しました。やっとのことで東芝ライテック製のものを発見しました。こちら。
「SG」タイプ、つまり高気密タイプでE26口金の電球を垂直に装着することのできるダウンライトです。ちなみに「SG」タイプは北海道以外で使える高気密タイプ、気温の低い北海道ではさらに高気密な「SGI」タイプでなければいけません。145mmと若干、背が高いダウンライトですが、ヘーベルに問い合わせたところ、何とか装着可能とのこと。
ほとんど問題ない、とは思っていましたが、念のために東芝ライテックにこのダウンライトにLED電球を装着できるかどうかを問い合わせてみたところ、意外な返答が。
「本ダウンライトはグラスウール施工のダウンライトとなっており、LED電球は使用できません。」
??。意味がわからなかったので、再度問い合わせました。
「LED電球をグラスウール施工のダウンライトに装着した場合、ランプ性能、寿命を満足できません。LED電球は基板を内蔵していますので、特に熱対流のない断熱施工タイプの器具については大変厳しい条件となります。」
つまり、もともと発熱が高い白熱電球を装着するためのダウンライトでは、天井が燃えないようにダウンライトそのものにグラスウールで断熱施工がしてあるそうです。そういうダウンライトにLED電球を装着してしまうと、グラスウールによってLED電球そのものの放熱ができなくなり、寿命が著しく短くなるということ。
ここで、上のLED電球を紹介しているサイトを見ていただきたいのですが、多くのLED電球は口金から発光部までの間にゴツくて派手な金属の放熱板が装着されています。点灯中のLEDや内部基板の熱をここで放熱することで、40000時間という寿命を確保しているのです。逆に言えば、この部分から十分な放熱が確保できない箇所でLED電球を使ってしまうと、本来の寿命を満足できないだけでなく、短時間で球切れ、といった事態も十分考えられます。
もっと簡単に言うと、現在発売されているLED電球は「ほぼ裸電球状態で使うこと」しか想定されていないということ。寿命40000時間ということばかりが一人歩きして、口金放熱器部分にある程度の熱対流がなければいけないというような重要な情報がきちんと告知されていないのは問題だと思います。
結論ですが、現在発売されているLED電球をそのまま使える断熱施工ダウンライト器具は存在しません!!
残念です。。
ただし、秋ぐらいからこのようなLEDダウンライトも発売され始めているようなので検討の余地はありますが、通常の蛍光灯タイプのダウンライトと比較して価格が高すぎてメリットは薄いかもしれません。
GX53というのがランプ交換可能タイプの新規格らしいですが、まだ東芝ライテックからしかこの規格に準拠したダウンライトは発売されていません。うーん、、時期尚早ですかね。。
マイホーム LED化検討