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iPhone3GS vs type P

iPhone3GS、使い始めて1週間が経ちましたが、すごく複雑な気分です。
なにしろ、想像以上に良すぎるんです。携帯電話としてではなくもっと高いレベル、そう、携帯PCとして、です。それの何が複雑かって、今まで毎日どこに行くにも連れ出していたVAIOtypePを、家に置いたままにすることが増えてきたのです。毎日、肌身離さす持ち歩くことができる超軽量フルスペックPCとして、大枚はたいて買ったVAIOtypePがこのような境遇に追いやられてしまったことが残念でもあるし、iPhone3GSへの素直な驚きもあるしで、複雑な気分なのです。
VAIOtypePを脅かすiPhone3GS。例えば、撮った写真をリアルタイムにFlickrにアップロードしつつ、その写真リンクを付けてTwitterに投稿する、という一連の操作が完了するまでのスピードをVAIOtypePとiPhone3GSで競争したら、iPhone3GSの圧勝だと思います。さらにiPhone3GSがすごいのは、この操作を歩きながら片手で出来てしまうところにあります。VAIOtypePでも歩きながらの操作は不可能ではありませんが相当危険が伴いますし、不安定な操作は余計な時間を費やしますから、それだったらVAIOtypePをどこかに置いて操作した方がマシ、ということになります。
PCやWindowsの開発の歴史は、アプリケーションのリアルタイム処理性、そしてバックグラウンドで他に影響を与えることなくいかにこっそり処理するか、という所に大きな開発工数をかけてきたと思います。今や、携帯電話ですらリアルタイムOSであるLinuxを搭載しバックグラウンドで複数のアプリケーションを動作させることが可能となりました。
ところが、iPhoneは同時に複数のアプリケーションを立ち上げておくことはできません。できることは、それぞれのアプリケーションが終了する直前の画面を覚えておくことと、アプリケーション間のコピーペーストのみ。(コピペすら、出来るようになったのは最近ですが) なのに、なぜ複数の一連の作業を流れるように速く処理できるのか?iPhoneは、リアルタイム処理、バックグラウンド処理が出来ないお馬鹿な人間の直感に近い操作感だからこそ、違和感なく気持ちよく操作できるのではないかと思います。
映画のDVDを一時停止して、掃除をする。掃除が終わったら、DVDの続きを見る。という、なんてことはない人間のあたりまえなシングルタスク動作に、iPhoneの動作の原点を見ることができます。メール書きかけのままMobileSafariでWebを見る。その後、メール画面に戻れば書きかけのメールの続きが入力できる。なんてことはない動作ですが、これって我々が生活する上で普通にやっている動作そのものなのです。そして、この動作を実現するために、iPhoneにはリアルタイム性やバックグラウンド処理は必要ない、シングルタスクで十分であると判断したAppleはすごいと思います。
iPhoneを使っていると、ローカルストレージに膨大なデータを入れて持ち歩くことのバカバカしさを痛感します。写真も音楽も動画も、メールもメモもブックマークも、全部ネットワークに置いておけばいい。必要な物を、必要な時に取りに行けばいいし、作業が終わったら保存してネットワークに戻せばいい。数年前にどこかで読んだ記事が、まんま現実の物となっていることをiPhoneを使っていると体感させてくれます。
目の前に広がる海のように広い可能性にワクワク胸躍らせているわけですが、3Gネットワークを3回線も契約しているという現実もあり。ワクワクするのも安くないですね。
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SIGMA DP2
ギトギトのようですが、まさに見たままです。この紫の葉っぱを持つ毒々しい植物は、なんて言う名前なんですかね?

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