音質のレビューなんておこがましいですし、文才、表現力も無いのですが、一度は候補から脱落したQP2Rを購入した理由を、PLENUE 2と比較する形で説明してみようと思います。
比較で使ったイヤホンは、Shure SE846、Final F7200、Unique Melody MACBETH II Classic などです。すべてアンバランス接続となります。
PLENUE 2 | QP2R | |||
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低域の響き | 出てはいるが、あっさりしている。忠実な低音。 | 4 | ベースの弦の揺れや空気の揺れが伝わってくるような低音。若干脚色の感あり。 | 5 |
高域の伸び、透明感 | Good | 5 | Good | 5 |
中域の解像感 | Good | 5 | Good | 5 |
力強さ | 繊細。女性的 | 4 | 力強い。男性的 | 5 |
音の広がり | 悪くはないがQP2Rと比較すると少し狭い | 4 | 奥行きを感じる。楽器の位置や距離感がわかる | 5 |
音のまとまり、一体感 | Good | 5 | Good | 5 |
ホワイトノイズが無いこと | 鬼門のSE846でもノイズは感じない。 | 5 | SE846ではサー音が目立つ。感度が悪いイヤホンでも耳を澄ますと聞こえる。 | 3 |
外来電波雑音による可聴ノイズがないこと | 携帯電話からの電波ノイズでチリチリ音がする。20cmぐらい離さないとダメ | 3 | 携帯電話のノイズは感じないが、曲間のホワイトノイズが外来ノイズの影響で揺らいで聞こえることがある。 | 4 |
QP2Rの特筆すべき特徴は、とにかく元気の良い音を鳴らす、というところに尽きます。聞いていてワクワクするような音で楽しいです。(まさに音楽、です)
反面、決してニュートラルな音ではなく、若干ドラマチックにしたような味付けです。PLENUE 2に「QP2R」というJet Effect設定があってもおかしくないような、と思ってしまったほどです。
一方、QP2Rの弱点は、あらかじめわかっていたとは言え、ホワイトノイズです。低インピーダンスで能率のよいShure SE846は使用をはばかられるレベルのノイズ量で、鳴らしにくくノイズが出にくいはずのFinal F7200であっても、耳を澄ませば少し聞こえます。
ホワイトノイズの量は元気の良さ(アンプの出力)の裏返しである、というのはQP2Rを使ってわかったことですし、QP2Rぐらいの元気の良さであれば、多少のホワイトノイズは大目に見るのですが、それでもQP2Rでは使えないイヤホンが存在する、ということは認識しておくべきです。
QP2Rで使えないイヤホンの代表は、Shure SE846やCampfire Audio Andromedaです。特にAndromedaはメインで使っている人が多いイヤホンの1つですが、そんな方にはQP2Rはオススメできません。
ゲイン設定をLowにすればホワイトノイズも下がってくれると良かったのですが、QP2Rのゲイン設定で変更できるのはボリュームMaxでの最大音量のみで、ホワイトノイズレベルは下がりませんでした。
QP2Rの特徴である、BIASモード「High」ですが、私は「標準」との違いを聞き分けられませんでした。「High」で明らかに変わるのは、発熱とバッテリ消費です。正直、BIASモード「High」は単なるホッカイロモードで、QP2Rに内蔵されている電熱線に電流を流している、としか思えないです。。
ただ、若干の思い込みは覚悟で言いますが、「High」の時の方が気持ち元気な音がなっている、ような気がします。それは「High」と「標準」を10秒ずつ聞き比べても気づかないのですが、モード固定にして1曲通しで聞いた時の印象として違いが出ているような感じです。
いずれにしても、余りにバッテリの消耗が激しいので、私は常に「標準」で聴いています。
ここまでがアンバランス接続での話。バランス接続すると、良い意味でも悪い意味でもQP2Rが化けます。それについては次のエントリで。