前回のブログエントリの中で、Surface Pro本体と電源アダプタの間の信号の動きが少しずつわかってきましたが、それをさらに深く知るために、青ワイヤーだけを切断して調査してみようと思います。
まずは、青ワイヤーだけを切断してみました。
青ワイヤーを切断した状態でSurface Pro本体に電源コネクタを接続してみましたが、給電・充電モードに切り替わりません。
動きの違いとしては、Surface Connect コネクタに内蔵されている白いLEDが約1s毎に点滅しています。ビックリしてすぐにコネクタを外しました。。
その時の波形です。
緑の波形(電源プラス側)が、電源コネクタ接続後、ON時間が延びていることがわかります。このことによってLEDが点滅した、と考えられます。
次に、青ワイヤーの2種類の信号(定期的なパルス信号と、5Vバイアス信号)が、それぞれどちら側(ACアダプタ側 or コネクタ側)によって出力されているのかを調べます。
まず、オシロのプローブをACアダプタ側の青ワイヤーに接続してみます。
黄色の波形は、5V一定を示しており、5Vバイアス信号はACアダプタ本体によって出力されている、ということがわかります。
次にプローブをコネクタ側の青ワイヤーに接続してみます。
5Vバイアスは消えて、バルス上の波形のみが残りました。
ここまで調べたところで、下記の最終仮説を導き出しました。
細い青ワイヤーは、ACアダプタがSurface Pro本体に接続されたことを、ACアダプタ側が認識するためのものである。その接続判断は、Surface Pro本体によるGNDプルダウン。
ACアダプタは、この青ワイヤーがGNDレベルになったことを確認してから、電源プラス側に15Vを継続して出力していると思われる。
Surface Pro本体側にとっては、青ワイヤー信号は有っても無くても関係無い。
最終仮説:Surfaceコネクタに、15V電源を印可するだけで、Surface Proへ給電できる。
早速、この最終仮説を立証するために、実験を開始。
赤ワイヤーと編組を完全に切断し、これをDC電源装置に接続します。
赤ワイヤーは電源プラス側(15V)、編組側をGNDに接続します。青ワイヤーはOpenです。
Surface Pro 本体側のインジケータに外部電源接続中のマークが表示されました。Surface Proに給電・充電できました!
そして、電源装置本体の電流計は2~3Aを供給していることをしめす表示になっています。
なぜ、怪しい中国製充電ケーブルではSurface Pro本体へ給電・充電できず、純正の充電ケーブルであればできるのか、はよくわかりませんが、純正の電源アダプタからケーブルを切断さえすれば、充電ケーブルが手に入れられることは実証することができました。
Surface Connect コネクタの内部でどのような結線になっているのか?については、テスターを駆使して調べてみましたが、プラスとマイナスはどの端子か?ぐらいはわかったのですが、青ワイヤーを含めた内部結線は不明のままです。
テスターでSurface Connect 端子を当たると、いろいろな端子の組みあわせでダイオード成分が見えるので、ダイオードかトランジスタのようなものがコネクタに内蔵されているだろうことは推測できますが、これ以上はコネクタを分解しない限りはわからないですし、とりあえずSurface Proへの給電・充電が可能となったので、これ以上好奇心を出すのはやめました。
さて、Surface Pro 2017をモバイルバッテリーで充電できるようにする挑戦のゴールはあともう少しです。
[Surface Pro 2017] モバイルバッテリーによる充電への挑戦 #4