Late2016 MacBook ProのUSB Type-C充電検証 #2 で、一般的なモバイルバッテリーを用いてMacBook Pro 15インチに給電することが可能であると書きました。(実用性は抜きにして)
その時、cheero Power Plus3 Premium 20100mAh とMacBook Pro 15インチを接続するのに使ったケーブルが、USB-Aコネクタ(見慣れたUSBコネクタ)と、USB Type-Cコネクタを組み合わせたケーブルです。
しかし、このタイプのUSBケーブルの中に、規格に準拠していないものが流通しているそうで、詳細はこちらを見ていただきたいのですが、私も手持ちのケーブルを調べてみました。
まず、一番最初に購入したケーブルがこちら。
2本セットで1000円以下という怪しさ満載のケーブルです。レビューも付いていないので、全く素性不明。。
次に購入したのが、USB Type-C にすごく力を入れているエレコムのケーブル。
データ転送するわけではないので、USB2.0品を購入しました。スマホへの対応をうたっています。
こちらには、USB Type-Cコネクタ側から見たプルアップ抵抗が10kオームだと、ホスト側に従来のUSB規格を超える電流を要求するので「悪」、プルアップ抵抗が56kオームであればホスト側には1.5Aまでしか要求しないので「良」、と書いてあります。(すこし極端な要約ですが)
ただモバイルバッテリーでMacBookを充電する目的であれば、最大1.5Aで頭打ちになってしまう可能性がある56kオームのケーブルこそ「悪」、と言うことになります。
プルアップ抵抗を自分で測ってみたくなり、USB Type-Cのメスコネクタが実装された基板を中国のウェブストアで購入しました。(日本だと入手が難しい)
まず、1本目の怪しいUSBケーブルは、想像通り10kオームでした。
エレコムのケーブルは、56kオーム。さすがスマホへの対応をうたっているだけあります。
良い比較対象のケーブル2種がそろったので、MacBook Pro 15インチに給電したときの電圧電流を測定してみます。
怪しい10kオームのケーブル。
4.41V / 2.52A
エレコム56kオームのケーブル。
4.87V / 2.42A
??
電圧も電流も違うため、なにをどう比較すれば良いか難しいですが、少なくともわかったことはプルアップが56kオームだろうが、10kオームだろうが、MacBookは 2.4A 以上で充電できる、と言うこと。
別の言い方をすれば、56kオームのケーブルであっても、MacBookへの給電が 1.5A で頭打ちになることはない、ということです。
で、2本のケーブルの間で電圧電流が異なる理由について少し考察すると、エレコムのケーブルの方が電圧降下が低いため(5Vに違い数値が計測されている)、ケーブルトータルの抵抗が低く、損失も小さい、ということになると思います。10kオームのケーブルは、ケーブルだけで0.6Vも電圧降下してしまっているので、品質が少し怪しい、と言うことになるかもしれません。
ただ、USB Type-Cに限らず、従来のUSB給電含め、ケーブルの違いによって電流が凄くばらつくので、単純なケーブルの抵抗値だけでは品質の善し悪しは計れないかな、と思っています。また、USB電流チェッカーの測定誤差ばらつきもあるでしょうし、0.1A の違いで一喜一憂する必要はないかな、と思っています。
USB Type-C ケーブルのプルアップ抵抗の違いで充電スピードが異なるのか検証