Late2016 MacBook ProのUSB Type-C充電検証を実施しました。ACアダプタとケーブルの違いによる電圧、電流値の計測結果です。
1.
ACアダプタ:純正87W
USB Type-Cケーブル:純正
19.9V / 3.92A
これが基準となります。
システムプロファイラの表示
2.
ACアダプタ:純正87W
USB Type-Cケーブル:ELECOM PD 5A対応 USB3-CC5P10NBK
19.9A / 3.92A
純正と同じです。
こちらも同じ
3.
ACアダプタ:純正87W
USB Type-Cケーブル:ELECOM PD 3A対応 USB3-CCP10NBK
19.9V 3.02A
3A対応ケーブルですので、3Aで頭打ちになります。
注目すべきは、ワット数(W)が「60」になっています。きちんとケーブルの種別を認識しているようです。
4.
ACアダプタ:純正87W
USB Type-Cケーブル:HUAWEI MateBook 充電ケーブル
20.0V / 3.03A
MateBook充電ケーブルも3A対応ケーブルのようです。
ワット数認識は「60」です。
5.
ACアダプタ:HUAWEI MateBook ACアダプタ
USB Type-Cケーブル:ELECOM PD 5A対応 USB3-CC5P10NBK
12.1V / 2.00A
MateBook用ACアダプタの最大定格(24W)で充電しています。
システムプロファイラ表示は、ワット数表示のみとなりました。ACアダプタの最大ワット数を正しく認識しています。
6.
ACアダプタ:RavPower(モバイルバッテリ)付属ACアダプタ
USB Type-Cケーブル:ELECOM PD 5A対応 USB3-CC5P10NBK
15.2V / 3.02A
45W充電していますが、ネット上では実はこれが問題になっています。実はこのACアダプタの最大定格は30Wなのです。
システムの認識も45Wとなっています。
これは何が問題かというと、ACアダプタの供給能力は30W(15V/2Aもしくは20V/1.5A)なのに、Macは45Wと認識しているため、その能力以上の電流を引っ張ってしまいます。その結果、ACアダプタは発熱して最終的には過温度保護機能が働き出力が停止すると思われます。
Amazonの評価でこれを理由に低評価を付けている人がいますが、その人が言っていることは半分合っていますが半分間違っています。
基本的には、このACアダプタを使うことでMacが壊れる可能性は低く、どちらかというとACアダプタにダメージが及ぶ可能性があります。ただし、よほど馬鹿な設計をしていない限り、ACアダプタ側には温度上昇を検知して出力を停止する保護機能が搭載されているはずですので、ACアダプタが壊れて、さらにMacを破損するような高電圧を意図せず出力してしまう、ということにはならないと思います。
「馬鹿な設計」に関してもう一つ、30WのACアダプタなのに、接続先に45Wとインフォメーションしてしまうことは、まさに「馬鹿な設計」なわけですが、まだまだ出てきて間もないUSB Type-C機器ですから無理もないかな、という気がします。
私も現在、テキサスインスツルメンツのUSB PD ICのテストボードで実験をしておりますが、プロトコルが複雑な上に膨大な量のレジスタ設定が存在し、この設定を間違わずにファームウェアに作り込むのはなかなか大変だな、と思い知らされています。
このACアダプタをMacに接続したままにするとどうなるか?は試していません。おそらく上に書いたとおり保護機能が働くとは思うのですが、それを試す勇気が無い、と言うのが正直なところです。
#2に続く
Late2016 MacBook ProのUSB Type-C充電検証 #1