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関数電卓 CASIO fx-4500P 壊れた

大学2年か3年から、約20年使い続けてきた関数電卓が壊れました。
CASIOのfx-4500P。ドットマトリクス表示ができる関数電卓は当時としては高級機で、なけなしの生活費の中から無理して捻出して購入したのを覚えてます。
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壊れたというと言い過ぎかもしれませんが、液晶画面上段のドットマトリクスが、横1~2行ドット抜けして見づらくなってしまいました。計算機能には支障がないので使い続けることも可能でしたが、過去の計算履歴を表示・再計算するのにドットマトリクス部の表示を重宝していたので、買い換えを決定。
Amazonで下調べしてみたら、価格破壊の波が関数電卓にも押し寄せておりビックリ
 
フルドットマトリクス液晶で太陽電池内蔵タイプが2,500円程度、太陽電池無しタイプに至っては1,600円程度。昼食2~3回分でフルドットマトリクス液晶の関数電卓が買えちゃうなんて。
今までと同じCASIOであれば問題無いかなとポチッてしまおうかと思ったのですが、ボタンの配置や押しやすさなどは実際にモノを見ないとわからないので、ヨドバシカメラに向かいました。
フルドットマトリクス表示のCASIO fx-373ESを触ってみてビックリ。なんと割り算の計算結果を分数で表示するのがデフォルトらしいのです。
例えば、2÷3を計算すると「2/3」と表示するのです。は?なにこれ?表示を変更しただけで計算してないじゃん!
「S→D」キーを押すと「0.6666…」の表示にも切り替えられるのですが、最初の計算結果を分数で表示してしまう設定は変更できないみたい。
なぜこんな仕様になっているのかと思ったら、http://casio.jp/dentaku/products/ntd/ にその答えが。「教科書での表記と同じように」「生徒の理解が深まり」…そういうことね。LCフィルタの共振周波数が毎回分数で表示されたら、たまったもんじゃない。絶対無理。却下。
CASIOだけでなくシャープの関数電卓も、フルドットマトリクス表示であればすべて上記の仕様。価格だけ見てネットでポチらなくて本当に良かった。ゴミになるところでした。
私にとってはフルドットマトリクスは無用と判断し、fx-4500Pと同じような上段がドットマトリクス、下段が7セグメント表示タイプで探してみると、さらに価格が安い。

fx-290 1,200円とか。
しかし、さらなる問題が。fx-4500Pで多用していた機能の一つに、pピコ、nナノ、uマイクロ、mミリ、kキロなどの単位を直接入力して計算するモード。エンジニアリング(ENG)モードと呼ばれていて、特に抵抗やコンデンサ、時定数などを計算するときに直感的に分かり易かったので多用していました。
しかし、今のCASIOの電卓にはその機能は搭載されていないようです。どれだけ高い電卓にも搭載されてない。シャープも同じ。
関数電卓売り場を隅から隅まで探して、私の希望の1台をやっと見つけました。

キヤノンのF-766S。http://cweb.canon.jp/calc/lineup/function/index.html 専用ページすら用意されていない扱いがひどい。設計した人は悲しいだろうなぁ。。
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サイズはfx-4500Pより一回り大きくなってしまいました。fx-4500Pはワイシャツの胸ポケットにもすっぽり入るサイズでしたが、F-766Sははみ出します。
また、fx-4500Pは前面、背面に金属パネルが用いられており、手に持ったときのひんやりとした高級感や、キーの押し心地が最高なんですが、F-766Sはオールプラスチックで高級感のかけらも感じられません。
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これが私にとって必須機能のエンジニアリング(ENG)モード。
F-766Sを使っていて驚いたのが、fx-4500Pとほとんど同じ使い心地。その理由は…
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キー配列がほとんど同じなんです。同じカシオ同士ならそれもわかるのですが、カシオと、方やキヤノン。メーカが違うのですが?! あと不自然なくらいキーの名称も同じ。「ENG」「STO」「RCL」「CALC」など。今のカシオの電卓以上に、カシオの電卓っぽいのです。
私と同じように学生時代からfx-4500Pを使ってきて、キヤノンに入社した人が設計したのでは?と思ってしまうほどです。良いモノが受け継がれてる。そう考えるとエンジニアとしてちょっと感動。いや、、完全なる妄想なのですがね、、
新しい関数電卓を買って、あらためてfx-4500Pを眺めてみると、モノとしての美しさを感じます。角はガリガリに削れちゃっていますがそれも含めて美しい。手に持ったときに手に馴染む感じ、キーの押しやすさ。まさに機能美。20年近く使い続けられる理由がわかります。残念ながらF-766Sなどの最近の関数電卓は、20年後の姿を想像できません。
fx-4500Pは第一線を退きますが、自宅用の関数電卓として第二の人生を歩んでもらおうと思います。そして、fx-4500Pの新品同様品を探してヤフオクをさまよう毎日です。。

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