雑記

大槌町

東日本太平洋沖地震で世界的に有名になった町、岩手県大槌町。私の母方の実家が大槌町にあります。つい1ヶ月半前に祖母が無くなり、台湾出張から緊急帰国して駆けつけたのも大槌町でした。 [台湾から岩手へ 2011/01/25 12:00]
津波で、つい1ヶ月半前に訪れたあの町も、あの家のすべて流されてしまいました。あの、のんびりとした町並、暖かな家が無くなってしまったということが未だに信じられません。
幸いなことに、叔父さん(母の弟)ファミリーは全員無事が確認されました。震災から数日間、岩手県のホームページに公開されている大槌町の避難者名簿に叔父さんファミリーの名前が掲載されず半ば諦めかけていた所に、Google Person Finderに叔父さんファミリーが全員無事であるという情報が掲載され、ホッと胸をなで下ろしました。大槌町は未だ通信網が復旧していないため直接無事を確認したわけではありませんが、叔父さんの奥さん方の親戚情報なので信憑性は高く、ほぼ安心しています。
家やクルマはすべて流されてしまったでしょうけど、生きていてさえくれれば次の一歩が踏み出せます。これからの一歩一歩は我々が想像できないくらい辛く厳しいものになるでしょうが、出来る限りのサポートをしていきたいと思います。
1ヶ月半前、病気と老衰で亡くなった祖母は、何10年も暮らしてきた大槌町の惨劇を知ることなく逝くことができて、ある意味幸せだったのかなぁとも思います。そして、穏やかな大槌町や母の実家を記憶に刻んでもらいたくて、祖母が命をかけて遠くに住む私たちを大槌町に呼び寄せたんじゃないかと思うのです。
葬儀の後、祖母の遺骨を大槌町を一望できる高台にあるお墓に納骨しました。納骨の後の帰り道、まだ雪が残って滑りやすくなっているあぜ道に注意を払いながら、ふと顔を上げたときに目の前に広がった大槌町の風景は、今でも私の心に刻まれています。
そして、何年後になるかわかりませんが、いつか祖父祖母のお墓参りに行ったときに、同じ場所から復興を果たした大槌町が望めるようになっていることを心から祈っています。

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