つないでイーサを使って、W-SIMのインタフェースをロジックアナライザでモニタしてみました。ロジアナと言ってもでかい測定器ではなく、USB接続するタイプのモノです。
モニタしたのは、W-SIMのTXD端子とRXD端子です。
チャート内A-B間は17us。つまりW-SIMとつないでイーサの間の通信速度は57.6kbpsということになります。あれ? どこかに64kbpsだと書いてあった気がしましたが…。SPEEDTESTのサイトで調べると実測40kbpsというのもうなづけます。
では、ここの通信速度をW-SIMが対応している120kbps、もしくは240kbpsに上げれば、スループットが上がるのかと言えば、一概にはそうは言えないような気がしています。その理由は、追々検証を進めていきながら明らかにしていこうと思います。
その他、W-SIMでダイヤルアップするためのATコマンド手順、接続が完了した後のPPPフレーム(正確には、PPP in HDLC-like Framing。詳しくはRFC1662を参照。)の内容まで解析が終わりました。ダイヤルアップの手順は意外と単純で、つないでイーサの高速自作版も開発できそうな気がしてきます。
これらの解析結果は、検証しつつ、徐々に公開していこうと思います。
私が使っているロジックアナライザは、5年ほど前にアキバの秋月電子で買いましたが、未だにソフトウェアのバージョンアップが行われているなかなか優秀な測定器です。各種のトリガを始め、通信速度などを入力すると、ASYNC(調歩同期シリアル)の翻訳もしてくれます。おかげでATコマンドやPPPフレームのやりとりの解析に大いに貢献しました。やったことがある人ならわかると思いますが、シリアルデータを読み取るのって意外と大変なんですよね。
右のモニターでは、Vmware Fusion上でWindows XPを動作させてロジックアナライザのソフトウェアを使ってシリアルデータを追っかけます。左のモニターは、RFCドキュメント閲覧やメモ帳で解析結果をメモしていくという、数年前から考えると夢?のようなデバッグ環境です。
W-SIMインタフェース調査