私は過去のHDDクラッシュの痛い経験から、普段からHDDのバックアップを取る習慣があります。特に大切にしているデータはデジタルカメラで撮影した写真です。これが消えてなくなるということは、アルバムを火事で失うようなものですからね。しかもアルバムのような紙だったらまだ燃え残って何枚かは無事とかいうことにもなるかもしれませんが、HDDのクラッシュは「あれ?おかしいな」「HDDの変な音だな」と思った次の瞬間に全くアクセスできなくなることも多く、場合によってはアルバムの焼損よりたちが悪いとも言えます。
デジカメデータのバックアップメディアとして真っ先に思いつくのはDVD-Rなどのような大容量リムーバブルディスクです。もちろん私もDVD-RやRWにデジカメデータを保存しておりますが、頻度で言うと月に1度とか、いくら頑張っても週に1度です。容量が少ない、遅いなどが、頻度が少なくなる理由です。また、写真という性質上、数ヶ月前の画像をちょっとレタッチするといったことも多く発生し、そのたびにバックアップ済みのデータを再度バックアップするという使い方には、DVD-Rは不向きだと感じています。
そこで私がバックアップ先に選んだのは、HDDです。もはやHDDがここまで大容量化してしまったら、そのバックアップ先もHDDでしかあり得ません。お金がたくさんあって、IBM LTO Ultriumなんてのが買えてしまう人はそれでもいいでしょうけど。
しかし、いくら大容量化したHDDとはいえ、バックアップ対象のHDDも大容量化し、さらに数台のPCのバックアップまで考えてしまうと最低でも400GBのHDDが必要になります。そこで私が考えたのが、RAID-5システムです。160GBを4台でRAID-5を構築すれば、480GBという広大なエリアとして扱うことができるようになります。さらに冗長システムにもなりますし、一石二鳥です。私は、自宅Linuxサーバーのリソースを使い、そこに160GBのHDDを4台接続し、ソフトウェアRAID-5を構築しています。ギガビットEthernet接続したネットワークドライブとしてバックアップしています。
バックアップソフトウェアもいくつか試してきました。今はAcronis True Imageに落ち着きましたが、Windows2000/XPに標準搭載されている「バックアップ」でも基本機能は問題ないと感じています。使い勝手より、緊急時にデータを生き返らせられるのが重要ですから。Acronis True Imageが便利だと感じるのは、バックアップイメージを一つのドライブとして認識させ、あたかも外付けHDDの中からデータを取り出す感覚でリストアできると言うところです。また、起動メディアからのリストアも簡単だし、起動メディアから起動して、ネットワークドライブからのリストアも可能です。残念なのは、バックアップがドライブ単位でしかできず、ディレクトリ単位のバックアップができないと言う所ですが、バックアップという目的を考えると、必要ない機能であるとも言えます。
基本的には週に一度、フルバックアップ、その他の日は差分バックアップを実施しております。例えば画像ファイル100GBが入ったドライブをバックアップすると、フルバックアップでおよそ30分~45分。差分バックアップは更新ファイル数にもよりますが、数分です。圧縮をONにしてしまうと、一気にバックアップ時間が2倍ぐらい延びてしまうので、いつも未圧縮でバックアップしています。
バックアップを始めてから、幸い?!HDDクラッシュに遭遇したことはないのですが、転ばぬ先の杖ですから、後から泣かないように今後も続けていこうと思っています。
HDDバックアップ一考