クルマ

足回り交換

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NISMOのサスキットを組みました。これが今回購入したモノです。箱を開けるまではフロントはアッパーマウントが付属せずノーマルから移植するものと思っていたのですが、アッパーマウントも組み付けられた状態でした。ノーマルからアッパーマウントだけを取り外す作業は、バネを圧縮したりアッパーの固いネジをはずしたりと、結構たいへんで時間のかかる作業です。NISMOの箱を開けてすでにフロントにアッパーが組まれているのを見て、ホッとしました。リアショックは、ブッシュ類のみノーマルを移植します。これは簡単なので問題無しです。
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フロントから組み替え作業です。ストラットごと交換ですからノーマルを取り外してそこに取り付けるだけの簡単作業です。さわるネジの数でいうと5個だけ…なんですが、K12マーチの場合はちょっとした下準備が必要です。マウントのネジ3つのうち、1つがワイパー機構のカバー(正式名称:カウルトップカバー)に隠れており、そのカバーをはずすために、ワイパーアームも取り外さないといけないのです。ワイパーアームは14mmのナットで固定されているんですが、ナットをはずしてもアームは空回り防止のために結構強く圧着されており、なかなかはずれません。ここで問題になっていることがあります。K12ギャラリーさんの掲示板でも何件か報告されていますが、K12マーチの足周りの交換をショップに依頼するとなぜかフロントガラスを割られてしまうという被害が発生しています。最初、どうして足周りの交換でフロントガラスが割れるのかまったく解せなかったのですが、どうもこのワイパーアームを取り外すために工具でこじってはずしてしまうと、その支点となってしまうフロントガラスが割れてしまうようです。ですから、自分で作業するときはもちろん気を付けなくてはいけませんが、ショップに作業を依頼する際は、あらかじめ注意してもらうように言い伝えておいた方が良いと思います。また、アームをはずさなくても、カバーの隙間から工具を入れれば、アッパーのナットははずせるそうなので、心配な方はそうした方が良いかもしれません。ただ、作業性は非常に悪いでしょうし、その結果隙間にナットを落としたりすると、逆に手間がかかったりもしますから、どちらが良いかはわかりませんが…。この手の作業は手間を省くと、あとから何倍にもなって帰って来るというのは法則ですから。。私も何度も経験してます、ハイ。で、私はワイパーアームを取り外して、カウルトップカバーをとって作業しました。ワイパーアームは確かに固かったですが、根気よく多少力をかけてユサユサ揺すりながら引っ張るといつかははずれます。プラハンでコンコンたたきながらでも簡単にはずれました。
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ショックに固定されているブレーキラインとABS車速センサー配線を取り外します。どちらも最重要ラインなので、ストラットを取り外す際に切断しないように気を付けます。次にショック付け根の大きなボルト2本をはずします。このボルトは12~13kgという高トルクで締め付けられていますので、写真のようにラチェットの柄を鉄パイプなどで延長しないとビクともしませんでした。写真の鉄パイプもちょっと曲がってしまうほどでした。ちゃんとしたラチェットハンドルや、コマを使わないと、工具も壊れてしまうでしょう。ちなみに私はKTCのラチェットを使用しています。もう、5年以上使っていますが頑丈でとても気に入っています。もちろん、写真のような使い方をしても全く問題ありません。このボルト2本をはずしたら、あとはアッパーのボルト3本をはずすとストラットが抜けます。写真では見えにくいですが、車載のジャッキなどで下を支えておくと、ストラットを抜き取った際、ブレーキ部分が落下せずに済みます。
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ノーマルストラットが抜ければ、あとはNISMOのストラットを逆に手順で組み付けていくだけです。特に問題ありませんが、一つノウハウを。各部ボルトナットを仮止めしたあと、最終的に規定トルクで締め付ける際は、写真のように車載ジャッキなどで、ストラットに加重をかけた状態で行うようにしてください。バネがのびきった状態でネジを締め付けてしまうと、クルマをジャッキから下ろした際にアライメントが狂ってしまいます。あとは基本ですが、各部のネジはそれぞれを一度に締め付けてしまうのではなく、ローテーションさせながら、少しずつ締め付けていくようにします。
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リアで問題になったのは、バネの組み付けです。フロントは片側ずつクルマをジャッキアップして作業しましたが、リアは片側だけジャッキアップしても、トーションバーで左右がつながっていますので、加重が抜けきらずバネを取り外すことができません。結局2台のジャッキで左右両方をジャッキアップして左右同時に作業しました。その状態で写真のようにサスに加重をかけたいので、合計3台のジャッキを使用したことになります。センターにジャッキポイントがあればジャッキ1台で左右が浮くのですが、センターのジャッキポイントで良い場所がなかったので左右のジャッキポイントを使用しました。
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作業時間は、全部で3時間ほどでした。想像していたより早く終わりました。作業完了後、少しだけナラシ走行してきたあとの車高です。カタログデータではノーマル20mmダウンなのでダウン量が少なく感じますが、見た目は結構イメージが変わっていますよね。上品な下がり具合とでもいいましょうか。
乗り心地ですが、町乗りレベルではほとんど変わりません。多少舗装面の段差などでゴツゴツ感が増えていますが、全く不快ではありません。足を換えたと言わなければ気が付かないレベルかもしれません。 コーナを走ってみると、ノーマルとの違いを明らかに感じます。コーナーリング中がノーマルと違ってすごく安定しています。ノーマルではコーナーリング中のタイヤからの情報はサスが吸収してしまい、さらにそれとは全く関係のない挙動が加わって気持ち悪かったのですが、このサスはコーナーリング中、タイヤのグリップ感がはっきり伝わってきます。それ故、安心して走ることができます。 バネレートはノーマルと比べてそれほど上がってるわけではないのに、ロール量は少なく感じます。ただ、コーナリング中、冷静にロール量だけを感じ取ると結構ロールしているのに、通常、それを感じさせないのです。こういうのが、粘る足、というのかな? まだあまり走り込んでないのですが、もっともっと走り込みたい気分にさせる良い足だと思います。今までは、足は固くてナンボ、ロール減らしてナンボ、と思っていたのですが、そうじゃないだと再確認させてくれる足です。定価85000円は高いと思っていましたが、乗ってみてこの値段は納得できます。 ただ、サーキットのような高μ路面や、タイヤをもっとハイグリップにしたりすると、この足は負けてしまうかもしれません。

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